情報屋が真実を話さないのは「最悪のタイミングでカミングアウトして愉しむため」?嘘の中に真実を紛れ込ませる男の正体とは? 【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
桜月(@k_sakurazuki)さんの描く本作は、父親の行方を追う殺し屋サイレンスと、彼女に雇われた情報屋スレッドの物語だ。なかなか手がかりがつかめないまま同居することになった二人だが、実はスレッドは早々に父親の居場所を突き止めていた。なぜ彼は真実を隠し続けるのか。その背景には、裏社会に生きる者たちの歪な心理が隠されている。
脇役から主人公へ昇格した嫌なヤツ
主人公のスレッドは、もともと別作品の仲間キャラとして構想されていた。しかし話がまとまらず、彼を主人公に据えてみたところ「想定外にうまくまとまった」と桜月さんは振り返る。作品のテーマは「嫌なヤツ」であり、登場するキャラクターはすべて、どこかひと癖ある人物ばかりだ。恋愛的な愛ではなく、別の何かで深くつながる男女を描きたいという思いから、この物騒な世界観が選ばれた。
本編は12話で完結しているが、SNSでは四つの異なる結末が「ボツ最終話」として無料公開されている。桜月さんは「バレて怒られる」や「普通に仕事を終える」といった後味の悪い結末を最も気に入っていたが、あまりの救いのなさにボツにしたという。読者が望むかもしれない「結婚エンド」も含め、さまざまな結末を楽しんでほしいという作者のサービス精神が、物語の幅を広げている。
嘘の中に紛れ込む真実
スレッドが真実を黙っていたのは、一番殺したい相手を殺せずにいるサイレンスの姿を「傍観」し、最悪のタイミングでカミングアウトして彼女の表情を「愉しむ」ためだという。しかし、その残酷な言葉さえも彼の嘘かもしれない。顔色を変えず嘘を吐き、その中に真実を混ぜ込むスレッドの心の内を理解することは、誰にもできない。読者は彼のセリフから、本当の想いを見極めることができるだろうか。
取材協力:桜月(@k_sakurazuki)
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