殴られキャラと過激な彼女がZ世代に大人気!「パンパンくんの日常」のクリエイター・イ・ジュヨンさんインタビュー
東京ウォーカー(全国版)
心が少し弱く臆病者のパンパンくんと、ちょっと暴力的なガールフレンド・オクジ。ときに過激なふたりの関係を描いた「
パンパンくんの日常
」は、WEBTOON(電子コミックプラットフォーム)での連載を経て、2022年にYouTubeでアニメの配信がスタートすると、Z世代を中心に韓国でブレイク!2024年には日本でのエキシビジョンが開催されるほど、国を超えての支持を得ている。そんなパンパンくんが生まれた背景やブレイクについて感じていることなどを、作者のイ・ジュヨンさんに語ってもらった。
「おもしろいものを作っている」自信をもって発信していた
──ご出身や家族構成など、ジュヨンさんのプロフィールを教えてください。
「父母、姉4人家族で、ソウルの仁川(インチョン)で生まれました。19歳の時に独立して、それからずっとソウルにずっと住んでいます」
──これまで携わってきたお仕事について、教えてください。
「クリエイターとしての活動を始めたのは19歳のときです。それまでは飲食店やガソリンスタンドなどたくさんのアルバイトをしてきました。当時、創作活動はあくまでも趣味で、お笑い芸人を目指していたんです。コメディ動画のようなものを作ってFacebookなどに投稿していて、その動画の中で殴られることが多いポジションだったことが、パンパンくんのキャラクターにもつながっているのかもしれません(笑)。
動画の反応はすごくよかったのですが、ある時期に限界を感じて、趣味でやっていた創作活動を本格化しようと思ったんです。そこから、WEBTOONでの連載などパンパンくんをメインとした活動が始まりました」
──Facebookにパンパンくんのイラストを載せて、そこでのファンとのやりとりなどを経て、今の形になったそうですね。韓国ではもちろん、日本でも注目を集めるキャラクターとなりましたが、当時はその反響を予想していましたか?
「自分が出演している動画も人気があったので、多くの人が好きになってくれて、人々を笑わせるキャラクターだという自信はありました。でも、ここまで人気になるとは思っていなかったです!ただただ感謝ですね」
──人気が出た理由について、ご自身ではどう分析されますか?
「一番重要なのは、自分が自信をもっておもしろいと思えるものを描いたり、アニメにしたりしたことだと思います。19歳の頃から、おもしろいものを作っているという自信はありました」
──特にどういうところが、おもしろいと自信をもっていたポイントなのでしょうか。
「新鮮な衝撃を与えることに焦点を置いていました。ただ、過激な表現もあるので、それが中和されるように、かわいく見えるように描いているのが一番のポイントです」
表現は過激だけど、パンパンとオクジはお互いに必要な存在
──19歳の頃のご自身に、今の自分からメッセージを送るとしたらなんと伝えたいですか。
「う〜ん。自分は怠け者なので、『いい未来が待っているから、そのまま頑張って』というようなメッセージを送ると、多分安心して努力をしなくなってしまうと思うので、何も伝えない方がいいのかな、と。むしろ、不確実な未来がある方が、もっと頑張らなければいけない、と挑戦し続けると思います」
──挑戦という言葉が出ましたが、今のジュヨンさんが挑戦してみたいことは何かありますか?
「今は韓国、日本、中国の3カ国でパンパンくんを展開していますが、アジア文化圏だけではなく、例えばアメリカなど、他の文化圏にも進出したいですね。それが受け入れられれば、グローバル的なキャラクターIPになれると思うので、これが今の自分にとっての挑戦だと思っています」
──その挑戦のために、今取り組んでいることはありますか?
「全世界的に広げていくためには、制作現場のシステムをよりよくすることが大事だと思っていますが、なかなか難しいです。現状は、企画から最終の編集まで、すべての工程に自分が入らなければまだまだ難しい状態なので、試行錯誤していますね。
いいものを作っていくには自分がもっとストーリーの企画に時間を使う必要があって、そうすると、制作の面で自分が関わる時間が減っても安定したものを作れるようになる必要があります。今は、そのためのシステムを作ることに取り組んでいます」
──“いいもの”を作るためにこだわっているのはどんなことでしょうか。
「一番こだわっているのは、キャラクターが形にはまらないようにすること。そういうところから新鮮でおもしろい、いいものが生まれるのではないか、と思います」
──形にはまらないように、とのことですが、キャラクターを動かすときに大切にしているポイントについて教えてください。
「キャラクターが自然であることですね。例えば、パンパンとオクジはカップルなので、パンパンとオクジはお互いに必要な存在ということが伝わるような、世の中のいろんなカップルが共感できるストーリーにすることが大切だと考えています。オクジは過激すぎるキャラクターとして描いていますが、そんなオクジが悪者に見えないように、パンパンくんが絶えず愛を注いでいる、オクジも愛があってそういう行動をしているという姿を描くことにこだわっています」
自分には創作しかないという思いで描き続けてきた
──「フォーブス選定世界で一番殴りたいキャラクター1位」というキャッチコピーにはどういった思いを込めたのでしょうか?
「チャンネルを開設したときに、『フォーブス選定世界で⚫︎⚫︎1位』というミームが韓国で流行っていたんです。それでちょっとおもしろいなと思って…。人気が出てからいろいろなところで『表現をマイルドにした方がいいんじゃないですか』と言われたこともありましたが、この過激な表現があってのパンパンくんだと思っているので、初心を失わないために、今でもこのコピーを使っています」
──人気コンテンツになったからといって、いい意味で丸くならないということですね。
「マイルドにすることで個性を失うかもしれないので、最初の頃から変わらず、とがったまま作り続けたいという気持ちです」
──過激さを売りにしたキャラクターコンテンツは、日本ではすごく新鮮なものだと思うのですが、最初に日本に進出するお話があったときはどんなお気持ちでしたか?
「こういう過激なものが海外で受け入れられるのかもよくわからなかった時期でしたが、日本のファンからもアニメーションにメッセージをもらっていたので、日本のファンたちも見ているんだ、という気持ちで日本で最初の打ち合わせにきました。
そのときに、私の人生に新しい世界が開かれたようで本当にうれしかったですし、今でも不思議な気持ちがあります。海外の企業と仕事することは初めてだったこともあり、興奮していて、オフィスから見える窓の外の風景を写真に撮ったりしました(笑)」
──2024年のエキシビジョンで日本での反響に驚かれたそうですが、韓国と日本でブレイクの仕方の違いを感じることはありますか?
「動画についたコメントを見ると、言語は違いますが、韓国も日本もファンがおもしろいと感じるところが同じだとわかるんです。SNSプラットフォームから配信しているので、国境もないですし、みんなが同じポイントで楽しんでいる、それを見るのがすごく楽しいですね」
──お話を伺っていると、当初と今で、あえて姿勢を変えずに制作されているのかなと思いますが、クリエイティブに対する取り組み方に変化したところがあれば教えてください。
「WEBTOONを書いていた頃はひとりだったのでスケジュールを自分で組んでいましたし、怠けることも多かったんです(笑)。でも、今はチームの監督の役割なので、責任感をもって動いていると思います。また、WEBTOONからアニメーションを始めるまでの期間に兵役に行っていたんです。その経験も責任感が生まれた理由のひとつかもしれません」
──パンパンくんのブレイクまでに、壁にぶつかったり、もう描くのをやめようと思ったりしたことはなかったのでしょうか?
「アニメーションを作り続けるために全力を尽くしてきましたが、そんな生活が祟ったのか、病気を患ってしまって。今は良くなっていますが、体力や健康が大切だということを実感して、体に気を遣ったり、運動も頑張っています。
ただ、クリエイティブをやめようと思ったことは一度もありません。休む時期はあるかもしれないけれど、自分にできることは創作だけだと思っているので、やめるという選択肢は存在していなかったです。これからもみなさんにおもしろいと思ってもらえるコンテンツを作り続けていきたいと思っています」
撮影=小山志麻
取材・文=大谷和美
(C) 2026.Leejuyong. All rights reserved.
この記事の画像一覧(全17枚)
キーワード
テーマWalker
テーマ別特集をチェック
季節特集
季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介
全国1400カ所のお花見スポットの人気ランキングから桜祭りや夜桜ライトアップイベントまで、お花見に役立つ情報が満載!
ゴールデンウィーク期間中に開催する全国のイベントを大紹介!エリアや日付、カテゴリ別で探せる!
おでかけ特集
今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け
キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介










