「その花、誰が片付けるんですか?」自己満足の献花に詰め寄る老人→社会問題をえぐる奇妙な漫画、その答えは?【作者に聞く】

東京ウォーカー(全国版)

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●画像クリックで次ページ/炎上(1)画像提供:森本大百科(@mdaihyakka)

SNSの誹謗中傷や、事故現場の献花問題。現代のネットリテラシーや社会の歪みを独自の視点で切り取った漫画が話題を呼んでいる。今回は、大阪よしもと所属のピン芸人であり、漫画アシスタントの経験も持つ森本大百科さんの短編漫画『炎上』と『価値観』の2作品を紹介する。いずれも「世にも奇妙な物語×少年ジャンプ+ presents 『奇妙』漫画賞」に応募し、最終候補に残った話題作だ。本作の裏側について作者に話を聞いた。

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1作目『炎上』

1作目の『炎上』は、炎上狙いで記事を投稿した記者が、逆に過剰なバッシングを浴びる姿を描いた物語。軽い気持ちの誹謗中傷が現実化したらどうなるかを描き、SNSで3万いいねを獲得した。

記者が投稿した途端、見知らぬおばさんから「あそこの女子高生があなたを気持ち悪いって笑っていたわよ」と告げられる。本人が知らなくていいことまで周囲に拡散され、人々はスマートフォンを取り出してネタにし始める。最終的に記者は住居まで特定され、追い詰められていく。

本作の制作経緯について、森本さんはあるネットニュースがきっかけだったと語る。「業界関係者が書いた記事で『人の悪口を聞いて腹が立った』という内容を読んだ。悪口を言った人の名前は伏せているのに、標的にされた人の名前は伏せていなかった」という。

「その記事のせいで、聞かなくていい悪口が本人に届いてしまう。ずっと引っかかっていて、それをアナログに置き換えたらどうなるかと考えた」と明かす。また主人公の設定については、「普段ネット記事で人のことを悪く書いている男が、一番わかりやすくてよいフリになると思った」と語った。

2作目『価値観』

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もう一つの話題作『価値観』は、事故現場の道端に手向けられる花や供え物をめぐる問題を描いている。

事故現場の献花は道路を汚したり、セロファンが飛んで車が滑る危険がある。供え物がカラスに食い荒らされるという意見もある一方、事故への警鐘になるという声もある。しかし放置された供物は、最終的に誰かが片付けなければならない。

作中では、自分の不注意で事故に遭った飼い犬のために献花に訪れた女性が登場する。通りがかりの老人に慰められ罪悪感が薄れるが、立ち去ろうとすると老人は「片付けないんですか?」と詰め寄る。

「今、この世界であなた以外にはその花に価値なんてないんですよ」「自分の土地でもない場所にモノを放置していくな」という塩対応に女性は困惑する。「お供え物くらいよいではないか」と主張する女性と、老人の意見は平行線のままだ。

立場が変われば正義も変わるという社会問題を描き、Xでも「考えさせられる」と深いコメントが集まっている。背筋がゾッとする森本さんの奇妙な世界を、ぜひ覗いてみてほしい。


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