「闇バイト」情報に高校生の4人に1人が接触するリアル。「渋谷闇バイトゼロプロジェクト」が高校で体験型授業を開催
東京ウォーカー(全国版)
近年、すっかり定着してしまった「闇バイト」という言葉。高額報酬などを謳って犯罪の実行者を募集するものだ。報道などで耳にする機会は増えたものの、どこか遠い世界の出来事のように感じている人も多いのではないだろうか?
しかし、危険はすぐ身近に潜んでいる。高校生に向けて闇バイトの危険性を伝える出張授業が、渋谷区の教育機関で2026年7月3日と10日に行われた。今回は、7月10日に都立第一商業高校で開催された授業の模様と、主催する「渋谷闇バイトゼロプロジェクト」が啓発活動にかける思いをレポートする。
クイズと専門家の言葉で学ぶ、闇バイトの恐怖と見極め方
出張授業は二部構成で行われ、第一部にはディップ株式会社マーケティング本部ブランド戦略統括部の堤花野さんが登壇した。アルバイト・パート求人情報サイト「バイトル」を展開する企業ならではの視点から、闇バイト求人の見極め方やその類型がわかりやすく解説された。
授業では、一般的なアルバイト募集と闇バイトの募集要項を二択で提示し、どちらが闇バイトか、どこが不審かを考えるクイズを実施した。参加した生徒たちは見事に正解していたが、解説の中で「高校生が気づきにくい、疑うべき細かなポイント」が提示されると、真剣な表情で見入っていたのが印象的だった。
第二部には、警視庁匿名・流動型犯罪グループ対策本部で防止対策担当係長を務める、西村拓也さんが登壇。まさに闇バイト対策の第一線に立つ専門家だ。
西村さんは、闇バイトの実行者は「犯罪グループの捨て駒」だと強調した。具体的な事例を交えながら、軽い気持ちで一度関わると抜け出せなくなる実態や、その行為がどのような重罪に当たるかを説明。さらに、授業当日に一部施行されたばかりの「犯罪収益移転防止法」にも触れ、銀行口座やスマートフォンの売買・譲渡に対する厳罰化など、最新の情勢を解説した。
授業を終えた生徒からは、「闇バイトに近づかないよう、見る目を養っていきたいです」「あらためて闇バイトの怖さについて実感できました。特に、いつ自分が加害者や被害者になるかわからないことがとても怖かった。バイトを探す時はしっかりと情報を精査していきたい」といった感想が聞かれた。
若者の街・渋谷から闇バイトゼロへ。「渋谷闇バイトゼロプロジェクト」の思い
今回の授業を企画した「渋谷闇バイトゼロプロジェクト」は、“渋谷から全国へ闇バイトゼロ”を掲げ、ディップ・一般社団法人渋谷未来デザイン・渋谷区の産官三者が連携して発足した取り組みだ。
ディップの調査によると、東京在住の高校生の4人に1人が闇バイト情報に接触。その一方で、約7割の高校生が「SNSなどに投稿された求人が闇バイトであっても判別できない」と回答しているという。堤さんは、こうした高校生の実態が見えてきたことが本プロジェクトのきっかけの1つだと語る。ディップが培ってきたアルバイト支援のノウハウと、渋谷区・渋谷未来デザインのネットワークが結びつき、2026年4月、若者の街・渋谷を起点とした啓発活動がスタートした。
高校生を対象にした今回の授業の背景には、「高校生のアルバイトは、ほとんどがはじめてのチャレンジとなることが多い」一方で、学業が本業の学校では「仕事の選び方、見極め方を教わる機会は少ない」という構図がある。堤さんは「求人情報を扱っている立場として、初めてのお仕事をするタイミングの方々に対して正しい情報を発信していくべき」と思いを話した。
本プロジェクトでは今後、渋谷区内の学校で順次同様の授業を展開していく。また、都内やその他の地域にも出張授業を拡張していくという。
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