幸福感を高める「幸せの4因子」とは?キユーピーが「幸福学」に着目する理由
東京ウォーカー(全国版)
日本のサラダ文化を長年牽引してきたキユーピーが、今新たなアプローチとして「幸福学」に着目している。
「健康のために野菜を食べなきゃ……」という義務感からではなく、「おいしいから食べたい!」という前向きな気持ちでサラダを楽しむ。そんな消費者行動のシフトを目指すなかで、キユーピーは武蔵野大学ウェルビーイング学部長の前野隆司教授とともに「サラダが心にもたらす幸福感」についての研究を進めている。
「幸せの4因子」とは?
幸福学の研究によると、人が「幸せだ」と感じる背景には以下の4つの因子が深く関わっているとされる。
「やってみよう」因子: 自己実現と成長
「ありのままに」因子: 独立と自分らしさ
「ありがとう」因子: つながりと感謝
「なんとかなる」因子: 前向きと楽観
義務感で行動する人よりも、自ら「やってみよう」「ありのままに」と主体的に動ける人ほど幸福度が高い。
これまでキユーピーは日本の食卓に多彩なサラダ文化を広めてきた一方で、「健康のために食べなければいけない」という無意識の義務感をユーザーに与えてしまっていたのではないか、という問いに行き着いた。
だからこそ、「食べなきゃ」から「おいしいから食べたい!」という前向きな主体性を引き出すことが、幅広い世代の幸せにつながると考えたのだ。
「サラダボウルを食べて幸福になる」ロジック
キユーピーは「サラダを食べること」が人々の幸福度にどう影響するのかについて研究を進めている。そのひとつとして着目したのが、肉・魚・雑穀などの具材と野菜がひとつの器にまとまった「サラダボウル(一体化サラダ)」である。
キユーピーと前野教授らの共同研究(2025年学会発表)によると、サラダボウルを食べた日は「幸せの4因子」すべてのスコアが有意に上昇するというデータが示されている。
彩り豊かな具材がドーンと盛られた一皿は、見るだけでテンションが上がる。「自分で作る・選ぶ」楽しさや、「今日は何をのせよう?」「きれいにおいしく作れた!」というちょっとした満足感が、自然と心をポジティブにしてくれる。
また、野菜の料理家・西岡麻央さんによると、柑橘や酢などの「酸味」を取り入れることで気の巡りをよくし、消化を助け、気分をすっきり前向きに切り替える効果が期待できる。
現在、専門店のサラダボウルは1500円前後とやや高価なケースが多いが、スーパーなどの総菜市場では700円前後の比較的手頃な価格帯で「ワンボウルサラダ」が登場し始めており、より身近な存在になりつつある。
義務感から幸福感へ
キユーピーが目指すのは、単に「商品を売る」ことではない。
義務感の消費「健康のために我慢して食べる」から幸福感の消費「おいしいから食べたい!」へ。この意識のシフトによって社会的な価値(健康寿命の延伸)と経済的な価値を同時に創出する、新たな「ライフスタイル」の提供を目指しているのだ。
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