セレブの町で西郷どん発見! 大西郷の基礎を作った江戸の史跡めぐり!

東京ウォーカー

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GWに回りたいNHK大河『西郷どん』名シーンの現場


明治維新150周年の今年。今回はその立役者となった一人、西郷隆盛が若き日に過ごした、江戸の史跡をめぐって来ました! NHK大河ドラマ『西郷どん』でも描かれているあのシーンの現場は、現在こんな景色になっている!

安政元年(1854)、西郷吉之介(後の隆盛)は薩摩藩主・島津斉彬の参勤交代に従って、初めて江戸に出府。普段は藩の屋敷の庭で雑事をこなしながら、主君から声がかかった時には直接話をできるという、お庭方の役を命じられた。この役目を務めながら、斉彬から西洋の文物や幕府の政治、藩の近代化のことなどを吸収し、これが吉之介が田舎侍から“大西郷”に成長する基礎になった。

西郷はこの第一次江戸滞在期に、主君の島津斉彬や橋本左内、藤田東湖らの優れた先人から強い影響を受けた。フキダシセリフの意味は、記事の後半で!


ゴールデン・ウィークはそんな吉之介にあやかって、今回ご紹介する史跡をめぐると大きく成長できるかも!?

まずは薩摩藩の上屋敷から。都営地下鉄の三田駅からほど近く、巨大なビル群の一角に石碑が建っている。世界のケン・ワタナビこと渡辺謙こと島津斉彬や北川景子演じる篤姫が暮らした薩摩屋敷だ。幕末最終盤の慶応3年(1867)には、西郷の指令で江戸の町でテロを繰り返した集団・薩摩御用盗のアジトにもなり、幕府や庄内藩の攻撃を受けて鳥羽伏見の戦い勃発の一因になる場所。大河ドラマでこのあたりの“ダーク西郷”がどう描かれるか楽しみだ。また、近くの蔵屋敷があった場所には、「江戸開城 西郷南洲 勝海舟 会見之地碑」も建っている。

薩摩屋敷跡の碑。この字を書いたのは、西郷吉之介の孫の西郷吉之助。ややこしいが、「吉之助」さんのほうは法務大臣も務めた昭和の政治家。


続いては薩摩藩の高輪屋敷跡。『西郷どん』で、鹿賀丈史が圧巻の演技を見せる島津斉興や、小柳ルミ子の側室・お由羅の方が滞在した隠居所で、現在『SHINAGAWA GOOS』(旧パシフィックホテル)が建っているあたりだ。先に書いた勝・西郷会見の第1回もこの屋敷で行なわれた。大河ドラマでは、斉彬が病に倒れ、その子も幼くして死んだのは、ルミ子と丈史が毒を盛ったせいだ! と思い込んだ鈴木亮平がこの屋敷に乗り込んでいた。若さゆえの視野の狭さとまったくの誤解(今のところ)なのだが、史実でこんなことをしていたら切腹どころか斬首されていたはず。

大河ドラマで西郷が島津斉興を訪ねて、「会ってくれるまで帰りもはん!」と居直ったのがココ!


もう一つ、あまりスポットの当たらない薩摩藩邸を紹介しよう。渋谷の下屋敷だ。安政2年(1855)の大地震で前述の上屋敷が損壊したため、藩主の島津斉彬以下が移り住んだのがこちら。「幾久しく友好を~~」のセリフがツイッターで話題になった又吉直樹の13代将軍・徳川家定に、篤姫が輿入れしたのはこの渋谷の屋敷からだった。薩摩藩士が建てた常盤松の碑が、ここに島津の屋敷があったことを偲ぶよすがになっている。

源義経の母・常盤御前が植えたという逸話から名づけられた常盤松の碑。島津斉彬の父・斉興の命で、家臣がこの碑を建てた。


まだまだあります西郷どん出没地!


西郷吉之介が江戸に出て来てから、ドラマに頻繁に登場するようになった水戸徳川家の人々。伊武雅刀演じる声がデカくて怖い徳川斉昭や、その7男で最後の将軍になる松田翔太の一橋慶喜など、濃ゆ~いキャラがそろう水戸藩の上屋敷が、小石川後楽園の付近にあった。というより、水戸藩邸の庭園だった後楽園が、その後地名や球場、遊園地の名前になった。ここには将軍継嗣問題で西郷も出入りし、またドラマではムードメーカー役のボウケンレッドこと高橋光臣こと有村俊斎と、ドラマに出ない樺山三円が、水戸学の巨人・藤田東湖の薫陶を受けた場所でもある。この有村・樺山の紹介で、西郷は東湖を知るのだ。

小石川後楽園。今でも見事な庭園とともに、幕末の頃にはここに水戸徳川家の上屋敷があった。


続いては、「北の吉原、南の品川」といわれ、歓楽街としても名高かった品川宿。大河に出てくる「磯田屋」は架空の店だが、吉之介をはじめとする薩摩侍や、長州、土佐の後に志士となる人々も、みんな品川宿の妓楼を利用した。もしかすると、無名時代の吉之介や坂本龍馬、高杉晋作たちが酒の席ですれ違っていたかもしれない。

品川宿を代表する高級妓楼・土蔵相模の説明板。桜田門外の変に薩摩から唯一参加した有村次左衛門(俊斎の弟)も、変の直前にここで決起の酒宴を催した。


西郷と酒の席といえば、忘れちゃいけないのが衝撃の宴会芸! 推定安政5年(1858)8月下旬頃のある夕暮れ、水戸と薩摩の藩士が謀議をした酒の席で、「西郷ハ大老斬殺ノ謀議相整ノ喜ヲ表シ裸踊ヲナシ蝋燭ノ火ニテ陰毛ヲ燒キテ興ヲナセシト云」と『維新日乘纂輯第一』(国立国会図書館デジタルコレクション)に記録されている。喜びのあまり裸踊りをして蝋燭で股間の毛を焼き、興をなせし、つまり場を盛り上げたというのだ。

インパクトが強すぎて、前半部分の大老・井伊直弼の暗殺計画に西郷が関わっていた、という記述がかすむほど。実際、この時飲んだ水戸藩士は高橋多一郎や金子孫二郎たちで、彼らはこの酒宴の2年後に桜田門外の変を起こして井伊を暗殺する。その計画が整ったうれしさあまってのファイアーだったワケだが、このシーン、やたらと男の裸を映し、実はBLが裏テーマともいわれる(?)今回の大河にも出てくる予感が……。

西郷どーん、祈れ、泣け! 斉彬様のために水垢離するんだ!(西田敏行風に読んでください)


豪快な宴会芸を持つ西郷さんだが、反面、とてもナイーブな一面もある。敬愛してやまない主君・斉彬が病気になった時には、うろたえ、号泣した末、目黒不動尊で滝に打たれて快癒の願掛けをした。ドラマでも一心不乱に滝行するシーンが描かれていたが、実際の目黒不動尊にも写真の滝がある。西郷がここを参ったのは史実のことで、水垢離をしたとも断食行をしたともいう。

以上、青年時代の西郷隆盛とNHK大河『西郷どん』ゆかりの現場レポートでした! ゴールデン・ウィークや週末にゆかりの史跡をめぐって、西郷さんの思いに迫ってみてはいかが?

今週の『西郷どんナナメ斬りッ!』


機嫌が悪いわけでも、眠たいわけでもありません。4人で徳川家定のモノマネをしています。


幕末維新が大好きな俳優や声優、歴ドルたちが、NHK大河ドラマ『西郷どん』をより楽しむために! 毎回多角的なアングルからドラマを語るトーク動画です。今回は大河の第14回から、島津斉彬が幕府に出した建白書や、SNSで話題になったハリスの13代将軍・徳川家定への謁見シーンがテーマ。そのままなぜか集団モノマネの流れに。ぜひ観てください♪

ボクらの維新通信社2018/ロバート・ウォーターマン(KUROFUNE-United)

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