話題騒然のカレーは寿司と中華料理の友情から生まれた!

2018年6月9日 9:30更新

東京ウォーカー 取材・文=中山秀明/撮影=岩堀和彦

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横浜中華街に、カレー好きの間で話題騒然な一軒がある。寿司、和食、スリランカカレーを見事に融合させた「シャリランカカレー」だ。しかも、お店は寿司店「辰すし」を昼に間借りするという独特なスタイル。個性的すぎる同店の秘密に迫った。

「シャリランカカレー」(950円)。海鮮マリネのネタは日替わりで、この日はサーモンとヒラメだった。すべてのカレーには和風スープが付く

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【写真を見る】手前が看板メニューの「シャリランカカレー」(950円)で、奥が「すし屋のドライカレー」(800円)。どちらのご飯にも、寿司と同じシャリが使われている

スリランカカレーをヒントに独自のセンスで和食との調和を創造

こちらのカレーの発想の源泉は、「モルディブフィッシュ」というカツオ節に似た素材を使うスリランカ。日本にもスリランカカレー専門店が少なからず存在し、食文化も一定の知名度がある。日本とスリランカの食の相性良いという事を、スパイスへの造詣が深かった田中慈也(しげなり)店主が見出し、シャリとの融和をひらめいたことで「シャリランカカレー」が誕生した。

田中慈也店主。かつて近くにあった中華料理店が実家で、IT企業やビール会社へ勤務、フードイベンター、フードワークショップなど異色の経歴の持ち主である

レシピは実にクリエイティブ。サバ味噌をベースにしたドライカレー、吉野葛でとろみをつけたカツオダシのカレーあん、海鮮の漬けマリネ、ガリ(ショウガ)のピクルス、カツオ節の佃煮など、和食とスパイスをフュージョンさせた味わいは唯一無二といえよう。

米は鮮度を優先し、水分の調整こそ難しいものの新米を使う。研いでから数時間置き、氷水を用いることで米本来の味を凝縮。そこに酢、酒、砂糖を伝統の配合で加えていく

一般的なスパイスのほか、スリランカ産のセイロンシナモン、クローブ、ココナッツなど8種類以上の素材を駆使。その上で、和のダシの風味を損なわないようブレンドしている

また、モルディブフィッシュをふりかけにして加えることで、スリランカカレーの要素もしっかりと感じられる。シャリとの相性も絶妙で、「シャリランカカレー」とは確かに言い得て妙!

友情という最高のスパイスがおいしさの秘訣

ではなぜこの場所で、寿司店を間借りすることとなったのか。それは田中さんの幼稚園時代からの同級生である堀江千広さんが、「辰すし」の二代目だからだ。家業の関係で、堀江家の食卓に出されるご飯が常にシャリであることを知っていた田中さん。堀江さん自身も、“シャリ×カレー”は慣れ親しんでいた味だったので、田中さんのアイデアに対して何も難しさは感じなかったという。そして快く店を貸し、自らも相棒として働くことに。

田中さん(左)と、「辰すし」の若大将で職人歴30年の堀江さん(右)。田中さんがスパイス関係を、魚の扱いや、揚げたりとろみをつけたりといった調理は堀江さんが担う

幼馴染が意気投合するのは当然。少年時代に語り合った夢“ふたりで飲食店をやる”を思い出す。しかも田中さんの実家はかつて近くで営業していた中華料理店で、双方の親も知り合い。つまりは異ジャンルの料理店のせがれ同士がタッグを組んだという、人間関係的にもハイブリッドな店が「ヨコハマシャリランカカレー」なのである。

魚の仕入れ先は「辰すし」と一緒。ネタの質や鮮度は言うまでもない

香辛料を使っていながらも、ダシの風味やあんのまろやかさでどこかやさしい同店の味わい。このドリーミーなおいしさには友情という、最高のスパイスが生きている!

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