日本の峠で生まれた「ドリフト」が世界大会開催へと羽ばたくまで
東京ウォーカー(全国版)
FIA会長も観戦。川畑さんが初代世界王者に
会場にはFIA関係者がズラリ顔を揃えた。その中には、元フェラーリF1チームの監督で現FIA会長のジャン・トッド氏の姿もあった。

ジャン・トッド会長について齊田さんは「細かい話はしませんでしたが、相当喜んで頂いたという話は聞いています。私は彼について詳しい事は知らないですけれど、メディアの前ではニコニコしていますが、身内には相当厳しい人のようでして。初めてのイベントで何を怒られるかとFIAの人も相当ビビっていたそうです。でも初めてのイベントでよくここまでやったと喜ばれたようで、帰りの飛行機のギリギリまでいらして、こちらの方がドキドキしていました。FIAの人たちも『こんなの今までないんだよね』と喜んでいました」。齊田さんは安堵の表情を浮かべながら当時を語った。

初めて行われたFIA-IDC。大会は2日間行われ、川畑さんは見事総合優勝。初代の世界王者に輝いた。

「対戦する相手選手のデータが何もなかったですね。どういった走りをするのか、どういうマシンなのかは、当日見てからの判断でした。ですが、自分のクルマのコンディションが最高に良かったので、順当に勝ち上がれました」「最初は通常のD1グランプリと同じで、ホッとしたという印象でした。実感が湧いたのは、ベルサイユ宮殿で行われたFIAの表彰式に上がった時、すごい格式の大会だったんだなというのを目の当たりにして、優勝を実感しました。もう一度、あの舞台に立ちたいですね。料理も美味しかったですし」(笑)と川畑さんは当時を振り返ると共に、今大会への優勝を狙う目をしていた。

「ドリフトは娯楽の提案でもあるんですよ」
今後、FIA-IDCはどのようなイベントになるのだろう。齊田さんは「将来的にはF3のマカオグランプリのような土曜日と日曜日にそれぞれの競技を行いたいと思っています。実はこのイベントは短期的には考えていなくて、認知度が上がってきたら、イベント自体が単独でできるようになりたいですね。あと、最初から決めていることなのですが、ドリフトをきっかけに、モータースポーツに興味を持って頂きたいですし、様々なレースに参加していって欲しい。ドリフトを様々なレースのグラスルーツにしていきたいと思っています」と夢を語る。
さらに「FIAのルールが世界中に浸透していくには、何年もかかるものです。FIA-IDCは世界中の関係者が集まり、そのルールを知って持ち帰ることを何年も繰り返すことで、世界中のどこででも同じルールの大会が行われるようになるのです。ですので、東京の大会は単年度の話ではなく、これから何年も続けていきます」。齊田さんの目は10年20年といった未来を見据えているのだ。

「FIA-IDCは山奥のサーキットでやっているイベントではありません。ちょっと足を運んで見られる、東京で開催するイベントで、スタンド席以外は無料で入場できます。フラっと立ち寄って、たまたま見たら『面白かった。F1だったら、さぞ凄いんだろうね』と思って頂きたいです。ドリフトは、新しいスポーツや娯楽の提案でもあるんですよ」
栗原祥光
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