湯本健一「勉強になる夏。経験を良い方向に持っていきつつ、成長したいです」【NINJA ZONE連載7回】

ワールドワイドに活躍する映画監督、プロデューサー、スタントマンで、特撮界のキーマンと呼ばれる坂本浩一が2018年に生み出した『NINJA ZONE』の公演が、2019年も決定！　本作は忍者、サムライ、アクション、殺陣、ダンス、アイドルなど、日本のポップカルチャーを詰め込んだオリジナル・エンタテイメント作品で、9月4〜8日に東京・品川の六行会ホールにて9公演行われる。

昨年のプレ公演に引き続き、桜役・宮原華音らが続投するが、今回は人物背景が一新。全く新しい物語として生まれ変わる。湯本健一は新たに誕生した白蓮衆というグループに属する眞白(ましろ)として登場する。

経験を生かせる作品になると思いましたし、そうしていきたいです。

――『NINJA ZONE』は特撮のキーマンとも言われている坂本浩一さんが総監督を務める、アクション色の強い作品ですが、出演が決まった時のお気持ちは？

【湯本健一】「僕は柔道や少林寺拳法、空手をかじっているので、経験を生かせる作品になると思いましたし、そうしていきたいです。しかしやはり武道と“見せるアクション”は違うものだと思うので、経験を良い方向に持っていきつつ、成長したいです。また、勉強になる夏になりそうだなとも思いました」

――武道経験があるというのは有利ですよね？

【湯本健一】「いえいえ。僕は部活が終わってからはグータラしていたので、短い稽古期間の中で、アクション指導の皆さんに鈍った肉体を鍛えていただきたいと思って挑みました」

――ちなみに刀の殺陣の経験は？

【湯本健一】「ないんです！　アクション経験自体が多いわけではなく、あっても無手(素手)の方が多かったので、しっかり勉強したいですし、誰が見てもキレイだなと思える殺陣ができるようになりたいです。でも、忍者の殺陣って、記録としてあんまり残っていないらしいんですよ。前の舞台(ミュージカル『忍たま乱太郎』)に出演する際に調べたのですが、やはり元々がスパイ的な存在なので、書物などで残ってないらしくて。『忍たま〜』と世界観などは違いますが、忍者という職業は同じなので、その際に勉強した知識は生かせそうです(笑)」

――舞台では女性ばかりのチームBG(BLASTING GIRLS)との対決が描かれます。

【湯本健一】「BGはほとんどの方が去年も出演されているんですよね？　最初の稽古の時から要領を得ている感じだったので、やはり経験は大きいなと思いましたし、僕は刀を使うので、刀使いの人がいたら、教えてほしいとも思いました」

純粋にお芝居、そして新たなアクション面、是非観ていただきたいです

――今作のどんなところに面白味を感じられていますか？

【湯本健一】「台本を読んでいたら、会話劇を聞いているだけでも面白そうだなと感じました。その上でアクションやダンス、歌があるので、さらに面白い作品になるんだろうなって。まだ結末への流れを知らされていないので、最終的にどんな役回りを担うキャラクターになるのかは分かっていないのですが、僕が演じる眞白は中間管理職だなと感じていて(笑)。白蓮衆の仲間と、上司的存在の半蔵を繋げる役どころなんですよ。それから眞白と琥白だけ、他の仲間が知らない何かを知っている様子なので、そこに何があるのか楽しみです」

――白蓮教には一見分からない思惑が隠されているのが、この舞台の面白さの一つですよね？

【湯本健一】「そうなんですよね！　お客さんにこういった人間ですと見せておいて、最後のデザートじゃないですけど、最後に実は…となるのは演じる側としても楽しみの一つ。最後の最後のどんでん返しとかあると、良いですよね！(笑)　眞白が実はどんな人物なのかなど、結末を楽しみにしていただきたいです」

――眞白が守るのは白蓮教の教祖・史郎ですが、史郎役の渡辺和貴さんとは共演されたことがあるんですよね？

【湯本健一】「はい。一度だけなのですが、和さんは一家に一台というか、“1カンパニーに1和さん”と言えるぐらい、現場にいてくれると安心できる存在です。和さんがいれば何とかなる！と思えるんです。優しいだけでなく、必要な時には分かりやすく、例えば、こうやった方がこう見えるんじゃない？と、包み込むようにアドバイスをくださったりするので」

――では眞白が属する白蓮教は、どんなチームにしたいですか？

【湯本健一】「白蓮教の4人で、それぞれのキャラクター付けなど、いろいろ話し合えたらいいですよね。今回、僕は和さん以外、初めての方ばかりなので、白蓮教の皆さんとも早く打ち解けたいと思っています」

――最後に、今回の舞台での湯本さんとしての見せどころは？

【湯本健一】「ストレートプレイは久しぶりなので、純粋にお芝居を観ていただきたいですし、初めて刀での立ち回りがあるので、新たなアクション面も是非観ていただきたいです。幕が上がるのを楽しみにしてください！」

大喜多州統