お茶のプロが誘う奥深いお茶の世界「蓬莱堂茶舗」

東京ウォーカー(全国版)

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1803(享和3)年の創業以来、宇治茶を専門に扱い、玄米茶発祥の店としても知られる「蓬莱堂茶舗」。多くの人が行き来する繁華街という立地もあり、長年の常連客から「京都土産に宇治茶を」と立ち寄る観光客まで、店を訪れる人は実にさまざま。

何百年もの歴史を持つ専門店から話題の新店まで、多彩な店が軒を連ねる寺町通に建つ、歴史を感じる佇まい


代々の商いを受け継ぐ安盛永博さんは、「お客様の話をお聞きしたうえで、それぞれの目的や好み、飲み方に合わせたお茶をおすすめしたい」と、茶商としての想いを語る。

訪れる人に寄り添い最適なお茶をおすすめ


大学卒業後、宇治の茶業研究所へ研修に通ったという安盛さん。当時、茶商で研修を受けたのは安盛さんが初めてだったそう


「ここは全国でも珍しい商店街だと思います。1600年頃に創業したという仏具店などがある一方、最近では毎月のように新しいお店ができている。商店街というと、地元密着型や観光型などの特色があると思いますが、この商店街にはそれらの要素がすべてあるんです」と、安盛さん。専門性の高い老舗・名店、観光に特化した飲食店やお土産の店など、それぞれがニーズに合わせて営業しているなか、「蓬莱堂茶舗」には、地元の人から旅行者まで、さまざまな人が訪れる。

「買い物カゴを提げて立ち寄ってくださる地元の方、国内外から観光で来られる方、京都では国際的な学会が開かれることも多く、そういった機会に来られる大学の先生や企業の方、海外から定期的にお見えになる方もいらっしゃいます」

カウンターには抹茶、玉露、煎茶、元祖玄米茶の蓬莱茶など、店で扱う茶葉の見本が並ぶ


扱う茶葉も種類豊富。煎茶だけでも8種そろい、価格帯も幅広い。どのように選べばよいのか尋ねると、必ずしも高価なものを選べばいいという訳ではないようだ。

比べてみると、煎茶でも少しずつ見た目が異なる。適した煎れ方もそれぞれ違うという


「同じ煎茶でも、お茶だけを少量で味わうなら高価なものの方が味わい深くて美味しい。しかし、例えばご飯と佃煮・お漬物なんかと一緒に飲まれるなら、高価なものに比べると渋み苦味が強くてシンプルな、手ごろなものが合います。食事と一緒なのか、食後なのか、お茶だけを楽しむのか、お茶請けと一緒にいただくのか。お茶請けが何かによっても合うお茶は変わりますね」

ひとつひとつのお茶の個性を知るからこそ、飲む人の味の好み、どういった場面で飲むかなど、できるだけ話を聞いてベストなものを勧めたいという安盛さん。豊富な知識を元におすすめを教えてくれるので、購入の際はぜひ相談を。

おすすめの茶器も!来春には茶室が完成予定


店内には様々な色や形の茶器も並ぶ


蓬莱堂茶舗では、茶葉だけでなく急須や湯呑み、鉄瓶などの茶器も扱っている。「茶器にもいろいろあり、選び方が分からないという方もいらっしゃるので扱うようになりました。お茶屋としては、せっかくよいお茶を仕入れているので、適した茶器で美味しく飲んでいただきたいという想いがあります」

急須なら背の低いもの、湯呑みはお茶の色がきれいに見える白いものなど、お茶を扱うプロの目線で“お茶が美味しく味わえること”を基準に選んだ茶器をそろえている。

建物の改装は2019年10月から翌3月ごろまでの予定。その間、1月中旬以降は現店舗裏の仮店舗での営業になるそう。詳細は公式HPで確認を


日常生活で楽しむお茶はもちろん、敷居が高いと敬遠される茶の湯の文化もより多くの人に知ってほしいという安盛さん。築200年以上となる建物を補強するため今秋から来年の春にかけて改装を行う際、店内奥に本格的な茶室を造り、茶道体験など気軽に茶の湯文化に触れられる場を設ける予定とのことで、来春が楽しみだ。

改装期間中も店頭販売などは行うそう。お茶にまつわる疑問や相談に応えてくれるプロの元へ、まずは気軽に訪れてみて。

※蓬莱堂茶舗はAmexとJCBの地元を応援するプログラム「SHOP LOCAL」参加店です

【構成=CRAING/取材・文=岩永茜/撮影=マツダナオキ/ウォーカープラス編集部】

CRAING

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