伝統の技術を活かしたスタンプが人気!老舗はんこ店「田丸印房」
東京ウォーカー(全国版)
実印に用いられる印鑑、書道や日本画の作品に押される落款印(らっかんいん)など、職人が一つひとつ手彫りで仕上げるはんこを扱う「田丸印房」。代々受け継ぐ篆刻(てんこく)の技術で、現在もオーダーに応じてさまざまな印章を仕上げている。そんな創業100年以上の歴史を持つはんこの専門店だが、5代目の田丸琢さんに聞くと近年の人気商品はオリジナルスタンプなのだとか。


店頭の棚に並ぶスタンプは、舞妓さんや清水寺といった京都らしいもの、時事ネタや洒落のきいたもの、使いどころは分からずとも何となく惹かれてしまうものなど多種多様あり、これを目当てに店を訪れる人も多いという。ユニークな図柄に子供から大人、外国人観光客まで、店の前を歩く人が足を止める姿も。「代々篆刻などの印章作りを手掛けてきたからこそのこだわりやノウハウが詰まっています」と、田丸さんが人気の理由を語ってくれた。
増え続けるスタンプは現在なんと3400種!

同店は、1912(大正元)年に雑貨店として創業。その後、印章文化が市井の人々にも広まった明治ごろ、その需要に合わせて印章に絞った商いを始めたそう。「その頃には八坂神社や祇園祭の菊水鉾に篆額(てんがく)の寄贈をするなど、自らの技術を活かして文化発展にも貢献していたそうです」と、田丸さん。


手彫りで仕上げる印章はこれまでと変わらず手掛けながら、30~40年ほど前に作り始めたという「京うふふスタンプ」。学校の先生が提出物のチェックで使う“みました”のスタンプを作ったのがきっかけで、その後どんどん増えていき、現在は約3400種ものスタンプがあるという。特に、芸者や武将、文豪などの横に、ひとこと添えられている“ひとことシリーズ”は、京都土産としても大人気のアイテムとなっている。
季節の便りや手帳など使い方はいろいろ

種類豊富なスタンプを組み合わせて絵画のような図案を作るのも「京うふふスタンプ」の楽しみ方の一つ。年賀状や暑中お見舞いなどに使える文字のスタンプもあり、季節感ある図柄を組み合わせればステキな季節の便りに。ほかにも、グリーティングカードや一筆箋、書置きにお気に入りの図柄を押したり、手帳や日記帳に使ったり、いろいろんな場面で活躍するスタンプたち。棚に並ぶ多彩なスタンプを見ていると、どんな風に使おうか想像が広がり、ついあれもこれもと欲しくなる。

図柄の繊細な描写や押し心地の良さも魅力だ。「スタンプを作る中でも特に、決まった枠の中で絵や文字をどう配置するか、文字をどのように崩すかといった部分には、長年篆刻などの印章作りを手掛けてきたからこその感覚や技術が活かされています」と、田丸さん。ほぼすべてを書きおろしのデザインにするのも、印影が美しく仕上がるよう線の太さなどを細かく調整するこだわりのためだ。
多彩な図柄をそれぞれベストの状態に仕上げるため、完成までには一つひとつ手作業で仕上げる工程も多いそう。「スタッフも芸術学部出身の子など、絵やものづくりが好きな人が多いです。技術は後からでも身に付くので、まずは“好き”という気持ちがある人と一緒に楽しく働きたいですね。京都は芸術系の大学も多いので、今後もそういった雇用の面でも貢献していきたいです。絵を描いたり手作りすることが大好きという方、お待ちしております!」
老舗のこだわりが詰まったユニークなスタンプ。小さいものなら300円(税抜)~と、手ごろな価格なので、まずは一つ手にとってその魅力を感じてほしい。
※田丸印房 寺町店はAmexとJCBの地元を応援するプログラム「SHOP LOCAL」参加店です
【構成=CRAING/取材・文=岩永茜/撮影=マツダナオキ/ウォーカープラス編集部】
CRAING
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