沖縄文化・歴史を分かりやすく解説!NHK沖縄の「きんくる」が書籍化

東京ウォーカー(全国版)

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“きんくる”の愛称で親しまれている、タレント・津波信一出演の番組「沖縄金曜クルーズ」(NHK沖縄)の書籍「読む きんくる! ウチナーンチュも知らない≪沖縄≫を伝える」(ボーダーインク刊)が発売された。

「沖縄金曜クルーズ」は毎週金曜19時30分からNHK沖縄のみで放送されているローカル番組。2007年4月に放送が始まり、「ウチナーンチュも知らない<沖縄>を伝える」というコンセプトのもと、グルメ紹介などから基地問題、沖縄戦まで硬軟織り交ぜた企画を分かりやすく紹介している。出演者は津波のほか、これまで、武田真一、飯田紀久夫、塚本堅一の各アナウンサーが代替わりでアシスタントを務めた。現在は、津波、塚本アナ、川満彩杏の3人で進行。

今回は、番組コンセプトを踏襲する形で書籍化。放送されたテーマの中から、「エイサー」「ウンガミとアンガマ」「那覇大綱挽」、那覇観光協会が実施している「那覇まちまーい」、「中国人観光客」「ウチナーグチ」「コザ騒動」「日米地位協定」「基地返還」「HY」など全部で16項目をピックアップ。

「那覇大綱挽」では、“米藁で製作された世界一の綱”をどのように準備するのかをはじめ、沖縄戦で途絶えたこの大イベントを復活すべく動いた人物とその舞台裏を事細かくビジュアル付きで紹介している。

また、「ウチナーグチ」の項目では、文化としての“沖縄言葉”の喪失だけでなく、医療や介護の現場で、若い救急救命士や介護福祉士がお年寄りの訴えを理解できないという、現実問題として支障を来たしている面があることをリポートする。

現在起こっている問題だけでなく、歴史的事実をしっかりと取材、そこから導き出される解決策や可能性を示唆している点は、番組制作のスタイルとまったくブレがなく、分かりやすくまとめられている。

巻末には、40年前に“反復帰論”を展開したジャーナリスト・新川明さん、沖縄出身のロックバンド・モンゴル800の“キヨサク”こと上江洌.清作(うえず・きよさく)、そして、津波3人による「40年後の『反復帰論』」と題した鼎談を収録。単に「復帰40周年」という風潮に流されるだけでなく、“復帰”の賛否自体を問いただす新川さんの強い言葉、その言葉に制作者として「あらためて沖縄を見詰め直したい」と感慨を語るキヨサクの思いがリアルに表現されている。紙幅の関係でわずか13ページというボリュームだが、読み応えのある話が繰り広げられている。

そして、“しーぶん(おまけ)”として津波が県内の面白い看板を撮影し、ひと言ツッコミを加える「信ちゃんのニュー沖縄のおもしろ看板★スター」も骨休め的に笑いを誘う。

折しも夏休みまっただ中。小中学生の自由研究のヒントとしても活用できそうな、万人に分かる沖縄文化の紹介書として一気に読める、楽しい1冊に仕上がっている。【東京ウォーカー】

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