【WEB連載】酒女倶楽部の日本酒レポート <br> 9本目「寫樂 なごしざけ」(福島県・宮泉銘醸)

関西ウォーカー

X(旧Twitter)で
シェア
Facebookで
シェア

朝夕涼しくなってきましたね〜。ようやく秋本番な感じです。さて、今回も、前回と同じく、秋にしか出回らないお酒、ご紹介しますね。

そのお酒は「寫樂 なごしざけ」。宮泉銘醸 http://www.miyaizumi.co.jp/という蔵が作っていらっしゃいます。このお酒のどこか秋限定なの?という点ですが、はい、お教えしちゃいますよ。「なごしざけ」というところが、ポイントなのです。

なごしざけ、を漢字で書くと「夏越し酒」。夏を越したお酒、という意味です。「夏を越したお酒?前回のレポートで紹介された『ひやおろし』も、ひと夏越したお酒だったよね」と思ってくださった酒女倶楽部レポートファンのみなさん。すばらしい!ありがとうございます!その通りでございます!なごしざけもまた、冬に仕込んだお酒をひと夏寝かせた、ひやおろしの仲間です。

では、なぜ「ひやおろし」と言わず「なごしざけ」と呼ぶのか。一説によると、「ひやおろし」はタンク貯蔵の状態で夏を越したお酒で、「なごしざけ」は瓶の状態で夏を越したお酒、とのこと。でも実際には、なごしざけ、というのは、夏を越したばかりのお酒だよ、という「季節感」を表したものみたいです。いずれにせよ、夏でもひんやりとしている蔵の中で、静かにまろやかさを増した日本酒、というわけです。

さ、説明はこのくらいにして、お味のほどを語ってまいりましょう。まず良い気分にさせてくれるのが、その香り。華やか過ぎず、かといって質素過ぎない、上品さがあるんです。いや、上品というより「気品」ですね。口に含むと、香りといっしょに、これまた気品ある甘みと清らかさが漂うんです。

さらにハッとさせてくれるのが、お料理と合わせたとき。食べ物と合わせると、それまで主張していた香りがふっと一歩下がり、お料理の味のほうを引き立ててくれるんです。なんて奥ゆかしい!自分は前に出ることなく、誰かを際立たせてくれる、名脇役の風格さえ感じるのです。

実は、宮泉銘醸さんのつくる「寫樂」という銘柄、わたしの五本の指に入るほどのお気に入りです。このお酒のラベルには「純愛仕込」という文字がありますが、これは、日本酒を愛する人のため、そして日本酒のおいしさをまだ知らない人のために、愛をこめてつくった、という意味。そう、愛ですよ、愛。愛こそが、人を感動させるのです!この一本を飲んだ人が、日本酒への愛を感じてくれたらうれしいなあって、思います。

甘さ度★★★☆☆ 辛さ度★★☆☆☆ 女性度★★★☆☆ 男性度★★☆☆☆

◆合う料理:煮物、お刺身、天ぷら、月を見ながらお酒だけもステキ

◆このお酒を芸能人に例えると…きちんと存在感を出しながらも、主役を引き立たせる天才「余貴美子」さん!

※甘さ辛さ度、女性男性度、合う料理は、すべて高野の独断と偏見です。

【文・写真=酒女倶楽部・高野朋美】

この記事の画像一覧(全3枚)

キーワード

カテゴリ:
地域名:

テーマWalker

テーマ別特集をチェック

季節特集

季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介

花火特集

花火特集2025

全国約900件の花火大会を掲載。2025年の開催日、中止・延期情報や人気ランキングなどをお届け!

CHECK!2025年全国で開催予定の花火大会

おうちで金麦花火セット

夏休み特集2025

夏休み特集 2025

ウォーカー編集部がおすすめする、この夏の楽しみ方を紹介。夏休みイベント&おでかけスポット情報が盛りだくさん!

CHECK!夏祭り 2025の開催情報はこちら

おでかけ特集

今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け

アウトドア特集

アウトドア特集

キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介

ページ上部へ戻る