“毒蛇”レスラーHUB×大阪プロ ビリーケン・キッド対戦直前インタビュー HUB「俺を潰して下さい!!」

9月16日に行われたプロレス・Zero1「第11回天下一Jr.トーナメント」で見事初優勝を果たし、天下一ベルトに加えインターナショナル及びNWA世界ジュニアの2冠王者となった覆面レスラーHUB(ハブ)選手が、初となる自主興行「毒人(どくんちゅ)」を10月20日(日）大阪・道頓堀アリーナで開催する。そのメーンカードとなるシングルマッチの対戦相手に指名したのは、自身がライバルと公言する大阪プロレスのエース、ビリーケン・キッド選手だ。

思えば彼らほど因縁を強いられた選手もいないだろう。かつて大阪プロレスの看板選手として幾たびも戦いを繰り返した2人だが、2008年に沖縄プロレスが旗揚げするのを機にHUB選手は沖縄に主戦場を移し、当時のリングネーム“ゼロ”から“怪人・ハブ男”と改めた。

それぞれの団体の事情から対戦する機会を失なった2人が再び闘ったのは、2011年にビリーケン・キッド選手が主催した自主興行だった。待ち望んだ悲願のカードの実現に当日は満員札止め、29分19秒にも及ぶ激闘を繰り広げた両名に拍手が鳴り止まなかった。

あれから2年、沖縄プロレスが事実上の活動休止となり現在フリーランスとして様々な団体に参戦するHUB選手と、対戦するビリーケン・キッド選手の両名にお互いの存在や試合に掛ける思いを伺った。

--今のタイミングで自主興行を行うことになったきっかけを教えて下さい。

(HUB選手/以下HUB)自主興行というのはフリーになった1年前からずっと頭にありました。ただ、やるタイミングというのは対戦したい相手が明確になった時に、というのがあったんです。そういった意味で、本当に戦いたい相手が見つかったので開催する決心がつきました。

--あなたにとって対戦相手はどういった存在ですか?

(HUB)共に戦った戦友であり、負けたくないライバルです。あと根底にあるのはリスペクトできる人間ということですね。

(ビリーケン・キッド選手/以下ビリーケン・キッド)彼がいなければビリーケン・キッドはすぐに消えてなくなっていたでしょう。大阪プロレスに入団し自信を失い、もがいてるときに彼と試合をして初めてビリーケン・キッドとしてやっていける自信を貰いました。ありきたりですけど“なくてはならない存在”です。

--お互いをライバルとして意識したのはいつ頃ですか?

(HUB)13年くらい前、ビリーケン・キッドが大阪プロレスに誕生した瞬間からです。

(ビリーケン・キッド)大阪プロレスで初めてシングルで対戦したとき「この人だ!」と思いました。

--(HUB選手へ)以前対戦した直後はしばらく戦いたくないとおっしゃっていましたが、何か心境の変化があったのですか?

結局は戻ってくるというか…色んな団体に上がり、いろんな選手と対戦してきましたけど、やっぱり一番感情を込めることができるのは、同じ釜の飯を食った仲間なのかなと。自分も35歳になり、プロレス人生の締めくくりを考えなくもない歳になりました。体力的にも露出的にも今が一番乗っているというか、ピークな気がするので、今のこの状態の時に対戦しておきたいと思うようになりました。

--(ビリーケン・キッド選手へ)メーンでシングルの対戦相手としてオファーが来た時はどう思われましたか?

めちゃめちゃ嬉しかったですね! しんどい試合になるし、無事にリングを降りれるか分からない…激しい試合になるのは分かってますが、それよりも“指名してくれた嬉しさ”が大きかったです。

--対戦相手へ一言お願いします!

(HUB)俺を潰して下さい。

(ビリーケン・キッド)お互いの生きざま、魂を思いっきりぶつけ合い自分達にしかできない試合をしましょう!

--今回の自主興行でお客さんに伝えたいことは何ですか?

(HUB)これが“HUB”というレスラーですよと伝えたいですね。その為に自分を一番光らせてくれるであろうビリーケン・キッドにオファーしたわけですから。あとは全試合を含めて、これがHUBのやりたいプロレスの世界なんだと少しでも感じとっていただけたら嬉しいです。お客さんが帰る道中「今日のプロレスは楽しかった」と思ってもらえるような興行を目指しますよ!!

フリーとなり、着実にその名を全国のマットに刻み続けるHUB選手、一方、大阪プロレスのトップレスラーとして団体をけん引し続けているビリーケン・キッド選手。今回のシングルマッチを実現するにあたり、HUB選手が幾多の困難な壁を乗り越えたであろうことは想像に難くない。名前や立場が変わろうと常にお互いを意識しつづけるライバル対決はプロレスの歴史に残る一戦となるであろう。【東京ウォーカー】