トワイライトエクスプレス瑞風「食の匠」が一堂に会し、熱い思いを語る
関西ウォーカー
JR西日本が2017年春に運行開始を予定している豪華列車「トワイライトエクスプレス 瑞風」は、現在運行に向け着々と準備が進められている。建築、工業デザインの第一人者がプロデュースした車両は「瑞風グリーン」と呼ばれる落ち着いた緑に金色のエンブレムとラインがあしらわれ、ボンネット型を思わせる運転室をはじめ、懐かしさと新しさが一体となっている。
走行するコースは京都・大阪と山陰、山陽をめぐる1泊2日の片道コースと、2泊3日の周遊コースの5コース。その旅の途中には「食の匠」と呼ばれる一流の料理人たちが監修し、沿線の新鮮な食材を使った瑞風ならではの料理が楽しめる。運行開始に向け、現在は沿線の食材を視察したり、食器の選定をはじめ料理の提供に向けた取り組みを行っている。
3月16日(水)には「食の匠」記者発表会が行われ、プロデュースを担当するフードコラムニストの門上武司さんと、7人の「食の匠」が一堂に会し、瑞風の料理に対する熱い思いを語った。
門上武司さんは「瑞風で提供する料理で、西日本の香りを存分に味わってほしい。香りはそれを感じた途端に懐かしさややさしさ、さわやかさなどを感じる重要なもの。瑞風では香りや食材、調理の空気感を提供したいと考え、食堂車はできるだけオープンキッチンにして、厨房からの香りやライブ感を楽しんでもらえるような形にした」と瑞風での調理スタイルについて言及。
「食の匠」一人目で、京都の料亭「菊乃井」3代目主人の村田吉弘さんは「京料理のエッセンスはあるけれども、その地域地域の特色のある食材を少しずつお出しする。一番の特徴は列車の中で鍋をしてもらえること。そのための電磁調理器の準備には苦労した」とエピソードを語った。
大阪市西区に店を構える「レストランHAJIME」のオーナーシェフ、米田肇さんは「列車の厨房を使って料理をすることは非常に制約がある。困難な状況もありますが、一歩一歩やっていきたい」と決意を語る。
村田さん監修の和食、米田さん監修のフレンチはすべてのコースで楽しむことができる。また、各コースの朝食は菊乃井監修の和食またはレストランHAJIMEの洋食を事前に選ぶことになっている。
沿線各地で活躍する料理人も食の匠に選ばれている。
広島県で「ル・ジャルダン グルマン」を経営する小山賢一さんは「『田舎の日曜日』というテーマを考えて、ランチのメニューを考えた。ディナーとは違う新しいおいしさや楽しさを提供できれば」と語る。
広島県の「あなごめし うえの」4代目主人の上野純一さんは「今回はおこげにこだわって準備している。工夫を重ねたあなごめしを召し上がってほしい」。
島根県松江市の「ル・レストラン ハラ・オ ナチュレール」オーナーシェフ、原博和さんは「山陰の自然や食材のみずみずしさ、生産者の情熱などを伝えられるようなお皿を目指したい」と、地元の生産者とのつながりを大切にしていることを明かした。
島根県益田市のレストラン ボンヌママン ノブ オーナーシェフの上田幸治さんも「沿線は田舎だからこそ、都会にない魅力がある。瑞風プロジェクトにかかわることで、少しでも地域が変わっていけたらうれしい」と、まず地元を念頭に置いて発言。
兵庫県三田市のパティシエ エス コヤマのオーナーパティシエ、小山進さんはアフタヌーンティーを担当。「西日本から世界が驚くような、お客様が最高の満足を感じて帰っていただけるようなものが提供できれば」と意欲を見せる。
瑞風の運行開始まであと1年。地元の新鮮な食材満載の、工夫を凝らした料理のお目見得まで、あとしばらくだ。
【取材・文=関西ウォーカー編集部 鳴川和代】
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