“女性の気遣い”から誕生したレクサスのランドセル

東京ウォーカー(全国版)

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この3月、高級自動車ブランドのレクサスから新車ではなくランドセルが発売された。今回、その仕掛け人である、レクサスブランドマネジメント部Jマーケティング室の古川氏に意図を尋ねることができた。

【写真を見る】ランドセルを企画した、レクサスブランドマネジメント部Jマーケティング室の古川氏


自動車販売開始から「レクサスコレクション」を展開


レクサスは、日本国内における自動車販売開始の2005年からグッズのラインアップ「レクサスコレクション」に力を入れている。

リアルソフトカーボンを用いた名刺ケース(2万6600円)、カードキーケース(1万6800円)、コインケース(1万9300円)


レクサスコレクションは、デザインはもちろんのこと、自動車と同質の素材を用いたり、触れた時の質感、オーダーメイド対応するなど、レクサスらしさをグッズでも体験できるものとしている。そして、たとえば傘の場合、先端部分である石突きや露先に、金属ではなく木材を用いることで、塗装面に接触しても傷が付きづらくするなど、自動車に対する配慮がなされているのも特徴だ。

10年も続けると、実際にグッズを使用しているユーザーの意見が販売店に届く。現在は、それらの意見を取り入れながら、商品企画をしているとのこと。現在レクサスコレクションは、年2回、商品の入れ替えや追加を行っている。

世代を超えて、レクサスブランドを身近に感じて欲しい


レクサスから発売しているランドセル(リアルソフトカーボン)。写真の色はブラウンで、価格は15万円


さて、この春ラインアップに加わったのがランドセルだ。企画立案は約2年前、古川さんが電車の中で、両手に大きな荷物を抱え、ランドセルを背負った小学生の姿を見たことから始まる。辛そうな姿を見て「なんとかしてランドセルを軽くしてあげたい」という思いがよぎったそうだ。時を同じく、コラボレーションしたhide k 1986から、軽くて丈夫な新素材リアルソフトカーボンを開発したとの話が来た。そこで、カーボンでランドセルを作ったら、軽くなるのでは?と思いついたという。また、レクサスは日本で開業して約10年が経過するので、当初40歳や50歳だった方に、小学生の子供や孫がいる可能性が高いことから、「世代を超えて、レクサスブランドを身近に感じて欲しい」という思いで、販売する決断にいたったという。

ランドセルの製造は、ララちゃんランドセルで知られる老舗の羅羅屋に依頼。設計する際は、羅羅屋側のアイデアを盛り込みながら、上質で軽く、使いやすいランドセルという点に注力した。

蓋をあけると、専用のペンケースなどが付属する


ランドセルを構成する素材には、最先端の人工皮革ベルバイオを採用。軽量で、耐久性があり、そして柔らかくしっとりとした手触りが楽しめるもので、高価な素材だそうだ。そして、蓋には長年の使用において反り返るのを軽減するため、ソフトカーボンで補強。カーボンは外に露出しているので、デザインのアクセントにもなっている。

蓋をかぶせると自動でロックがかかり、開ける時のみに解除を必要とする便利な機構を備える


機能面においては、蓋をかぶせると自動でロックがかかり、開ける時のみに解除を必要とする便利な機構を備えた。ベルトの取り付け部には、子供の成長に合わせて広範囲に稼動する金具を用意。そしてベルト部も3次元の複雑な形状を取ることで、フィット感と成長を阻害しない工夫がなされている。

ランドセルには、ペンケース(写真左)とポーチ(写真右)が付属する


ランドセルには、本体に直接取り付けることができる専用の筆箱ケース、そしてポーチが付属。こちらにもベルバイオとリアルソフトカーボンが用いられており、子供が進学しても、単体で使えるほどのクオリティの高さだ。

本体、ステッチともに5色から選べる


さらに注文時において、本体とステッチの色が各5種、計25パターンから選ぶことができ、さらにオプションで刺繍による名入れにも対応するなど、ほとんどオーダーメイドに近い。1つ1つ手作りのこのランドセルは、注文してから手元に届くまで約3~4か月かかる。

実際にランドセルを見ると、カーボン部分に目が奪われるが、外観のどこにもレクサスのロゴがないことに気付く。

名前の刺繍(写真LEXUS文字部分)の下の小さくワッペンが設けられる。付属のペンケースを取り付けると、この部分は見ることができない。


ロゴは、内側に小さく一か所のみだ。レクサスの商品に対する自信の表れを感じる。

ブラックも用意する


重量約1.1kgに仕上げられた、こだわりランドセルの価格は15万円。通常のランドセルに比べ、かなり高価であるものの、触れれば納得する金額だ。購入後も補修も受け付けるので、アフターサポートも万全だ。

残念ながら、現時点において全てのレクサス販売店で見ることは叶わないが、展示用のランドセルを作り、貸し出していること。見かけたときは、ぜひ手に取ってほしい。その軽さ、質感に驚くことは間違いなしだ。

すでに30セット以上を受注!「これからもレクサスは、皆さんに驚きと感動を感じて頂けるアイテムを提供します」


レクサスブランドマネジメント部Jマーケティング室の古川氏


古川氏は、売れる自信はなかったという。しかし3月の発表後、ひと月で予想を大幅に上回る30セット以上を受注。狙いであった自身がレクサスユーザーで、孫にもレクサスをという方以外にも、いつ製造を中止するかわからないから、子供が2歳だけれど注文したという方や、子供はいなくてもレクサスだからという理由で求められた大人の方もいらっしゃるとか。

「これからもレクサスは、皆さんに驚きと感動を感じて頂けるアイテムを提供します」と古川氏は力強く語る。女性らしい視点で生まれたランドセルは、高級自動車ブランドのこだわりを背負い、新入生のために走り始めたばかりだ。【東京ウォーカー】

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