高畑勲展 日本のアニメーションに遺したもの

高畑勲は、1960年代から半世紀にわたって日本のアニメーションを牽引し続けたアニメーション映画監督。代表作のアルプスの少女ハイジ、赤毛のアンなどのテレビ名作シリーズで、冒険ファンタジーとは異なる豊かな人間ドラマの形を創作した。1980年代以降は舞台を日本に移して、セロ弾きのゴーシュ、火垂るの墓など、日本の戦中戦後の歴史を再考するような作品を制作。遺作となったかぐや姫の物語では、デジタル技術を駆使して表現上の革新に達成した。展覧会では、絵を描かない高畑の演出と、多数の未公開資料も紹介しながら、その多面的な作品世界の秘密に迫る。