岩村城跡

日本一標高の高い場所(717m)に築かれた岩村城は、大和の高取城(奈良県)、備中の松山城(岡山県)と並ぶ日本三大山城のひとつで、日本100名城にも選出されている。付近に霧が多く発生することから霧ヶ城という名もあり、岩村藩の地誌「巌邑府誌」には「敵が攻めて来たとき城内秘蔵の大蛇の骨をこの井戸に投じると、たちまちにして雲霧が湧き出て城を覆い尽くし、城を守った」と記されている。鎌倉幕府、源頼朝の重臣・加藤景廉が文治元(1185)年、この地の地頭に補せられ築城されてから、室町、戦国、江戸と、明治に入って廃城するまで存続した。約700年間にも及ぶ城の歴史は日本の城史に例を見ない。本丸周辺の石垣は東洋のマチュピチュといってもよいほど壮大な造りだ。