中田英寿がシェアしたい“日本の新たな価値”「安全・安心、皮ごと食べられる瀬戸田レモン」

2021年1月21日 19:30更新

東京ウォーカー(全国版)

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中田英寿氏が47都道府県を旅して出会った日本の「わざ」と「こころ」。日本のことを知るために47都道府県を巡る中田氏の旅は6年半におよび、移動距離は20万キロになった。その間、訪れた地は約2000に。そこで中田氏は、現地に行かなければわからない、素晴らしき日本があることを知った。

ウォーカープラスでは、中田氏の「に・ほ・ん・も・の・」との共同企画として、珠玉の“にほんもの”をお届けする。

中田英寿
「全国47都道府県の旅で出会ったヒト・コトを、”工芸芸能・食・酒・神社仏閣・宿”に分けて紹介。日本文化を多くの人が知る『きっかけ』を作り、新たな価値を見出すことにより、文化の継承・発展を促していきたい。」

星型やハート型のレモン

広島県尾道市の生口島は、クルマで30分もかからずに1周できてしまう小さな島だ。実は国内産レモンの3割以上がこの生口島と隣の高根島で育てられる瀬戸田町産だ。今では瀬戸内のレモンが全国的にも有名になり人気だが、輸入レモン全盛期には、「つくっても売れない。出荷しても安値」の状態だったという。

「広島でレモンの栽培が始まったのは、明治時代といわれています。なかでもこの瀬戸田町は、年間平均気温が15.5℃と暖かく、年間を通して降水量も少ないため、レモンに最適な環境があります。かつては国内で流通するレモンのほとんどが輸入品でしたが、農薬や化学肥料の問題から安全・安心な国内産が見直されるようになり、2000年以降はシェアを徐々に増やしてきました。私たちが目指したのは、農薬の使用を最低限に抑え、皮ごと食べられるレモン。その他にも星型やハート型のレモンの栽培もしてきました。そういう長年にわたる研究や努力の結果、現在、瀬戸田レモンだけで全国シェアの3割以上を占めるようになったんです」

三代にわたり島でレモンを育てている柑橘農家であり、地域の新規就農等の育成にあたる指導農業士でもある原田悟さんのレモン畑を訪ねると、斜面に並んだ木々にまだ青い果実がたわわに実り、太陽の光を浴びていた。

【写真】国内産レモンの3割以上がこの生口島と隣の高根島で育てられる瀬戸田町産

「最近は瀬戸内レモンのブームでさまざまな加工品も人気になっています」

目の前のテーブルに並べられたのは、たくさんのレモン加工商品。瀬戸田町は、瀬戸田レモンを使った商品開発にも積極的で、広島の駅や空港などの土産物販売店に行くと、「瀬戸内レモン味」の商品がずらりと並んでいる。瀬戸田町のエコレモン2個分をエコレモンの果汁とはちみつに漬け込んだ「瀬戸田レモン」やネーブルオレンジを漬け込んだ「瀬戸田ネーブル」、瀬戸田町産のレモンと橙(だいだい)に高知県産のユズにカボス、小夏といった国産柑橘果汁と瀬戸内産の海水塩と高知・室戸の海洋深層水でまろやかさっぱりと仕上げた塩ぽん酢など、瀬戸田の柑橘類を使った加工品を次々と開発している。これらの商品は旅行客だけでなく地元の人や通販でも人気が高いらしい。

瀬戸田町のエコレモン2個分をエコレモンの果汁とはちみつに漬け込んだ「瀬戸田レモン」

瀬戸田の柑橘類を使った加工品を次々と開発


「瀬戸内レモンの名前は、瀬戸内の隠れた良いものを国内外に広めるため、瀬戸内各県の相互連携による広域ブランドの確立を目指し広島県が主導した、“瀬戸内 海の道溝想”から生まれました。本来なら『瀬戸田レモン』、『広島レモン』の名が広がればよかったのですが、レモンブームもそのネーミングのおかげで加速した部分があるんだと思います」

三代にわたり島でレモンを育てている柑橘農家の原田悟さん


2000年代に入り加速する農業のグローバル化は、日本の農業にとって大きな脅威だ。だが、瀬戸田レモンのように、良いものを真面目に作り続け、その良さを活かしながら自分たちができるカタチで2次産業、3次産業への先進的な取り組みに挑戦することがその難局の突破につながることもある、ということを教えてもらったような気がする。

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