元サッカー日本代表・明神智和が語る“仕事で腹がたったとき”の心構え「ふてくされたり、投げ出したりしても“成功”から遠ざかるだけ」

2021年2月28日 12:00更新

東京ウォーカー(全国版)

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スポーツで得たスキルは“社会でも役に立つ”と言われている。しかし、何がどう役に立つのか?ということを子供にしっかりと語れる大人は少なく、「上下関係や協調性が身につくよね」くらいの理解しかないのが現状だ。そんな状況に一石を投じているのが元サッカー日本代表・明神智和氏。「AFCアジアカップ2000」優勝、2002年「日韓ワールドカップ」ベスト16を経験し、ガンバ大阪、柏レイソルなどで活躍した同氏が語る、ポテンシャルを最大化させ、スポーツはもちろんビジネス、学業にまで応用できる“黒子の哲学”とは――。
※本稿は2月26日発売『徹する力 “らしく”生きるための考え方』(著:明神智和/KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

元サッカー日本代表・明神智和氏(C)説田浩之


「腹が立つ!」はプラスのエネルギーにする


僕は性格的に、喜怒哀楽が激しいほうではない。考えてみれば、子供のときも反抗期はなかったし、そもそも誰かに対して怒りを持つとか、高圧的な態度を取るようなこともなかった。もちろん、私生活の中で両親に怒られたり、サッカーで監督やコーチに雷を落とされたりすることは多々あったが、それも素直に受け入れていたほうだと思う。

そんな僕が、初めて気持ちの苛立ちを感じたのは、中学1年生になる直前のイーグルス(イーグルスユナイテッドFC)での春休み合宿のあとだ。イーグルスでは新中学1年生だけで合宿をするのが恒例になっていたが、なんと僕はそのタイミングで風邪をひいてしまい、参加することができなかった。すると、春合宿を終えてすぐの練習中、コーチに突き放すような言葉を投げられた。

「おまえは、合宿に参加していなかったからな」

細かなシチュエーションは忘れたが、子供ながらにどこか「バカにされた」というような感覚になったのを覚えている。

それまでは、何かを言われるとシュンとなってしまうことばかりだったが、このときだけは違っていた。そうでなくても出遅れたことに焦っていたのに、その焦りをあえて煽ってくるような、気持ちを逆なでする言い方にすごく腹が立った。思えば、他者に対して「イラつく!」というような感情を持ったのは、このときが初めてだった。

【写真】明神智和氏による初の著書「徹する力 “らしく”生きるための考え方」「徹する力 “らしく”生きるための考え」(著:明神智和/KADOKAWA)


もっとも、だからといってコーチに突っかかっていったわけでも、何かを言い返したわけでもない。ただただ、その事実が腹立たしく、「なにくそ」「今に見ておけ!」という気持ちになっただけだ。おそらくそれが、自分に初めて「反骨心」が芽生えた瞬間だった。

その経験からも、サッカーであれ、仕事であれ、指導者や上司から怒られたり、言われることに気持ちがざわついたり、「腹が立つ!」という感情を持つことがすべて悪いとは思わない。実際、僕もプロになってメンバーから外されたときには、「なんでだよ!」という感情になったこともある。

だが、そのようなときに常に心がけていたのは、「怒り」や「腹立たしさ」は必ず、プラスのエネルギーにすることだ。メンバー入りができなかったときは「次は絶対にメンバーに入ってやる」と練習に打ち込んだし、試合の途中で交代させられたときは「絶対に外せない駒になってやる」と自分を磨くことに気持ちを注いだ。もしそこで、ふてくされて練習を投げ出してしまうとか、ただ落ち込むだけで終わってしまえば、自分にマイナスのエネルギーしか残らないからだ。

いや、実際にプロの世界でもそういった選手をたくさん見てきたからこそ、より強く、怒りをプラスのエネルギーに変えようとしてきたのかもしれない。ふてくされたり、投げ出したりしても、ますます「試合に出ること」から遠ざかるだけだし、ともすれば自分のキャリアさえ止めてしまうことになりかねない。そして何より、怒りで自分のキャリアをふいにしてしまうのはもったいない。

元サッカー日本代表・明神智和氏(C)説田浩之


それに、指導者になった今ならよくわかるが、もしかしたら、監督やコーチは、その腹立たしさや怒りから生まれる「反骨心」を引き出すために、あえて厳しいことを言っていることもある。

だからこそ、自分にとって「嫌な言葉」は必ずプラスのエネルギーに変えることを心がけてほしい。それを乗り越えたときには、必ず新しい自分、パワーアップした自分がいると信じて。

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