マンボウ、海女の実演…地元に根付き、愛された志摩マリンランドが51年の歴史に幕

2021年3月28日 08:00更新

東京ウォーカー(全国版)

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3月31日(水)を持って営業を休止する三重県志摩市の水族館、志摩マリンランド。今年1月29日に営業休止が発表されて以降、コロナ禍の逆風の中でも連日多くの来館者が訪れている。志摩ゆかりのマンボウや海女漁を活かした展示など、伊勢・志摩の風土や文化を多く取り込んだ同館は、遠足の定番スポットとしても親しまれてきた。地元に根付いてきた51年の歩みを振り返る。

「マンボウの泳ぐ水族館」として親しまれた志摩マリンランド画像提供:志摩マリンランド


地元で水揚げされるマンボウを展示、一番の人気者に

志摩マリンランドは1970年、英虞湾(あごわん)でもっとも大きい有人島である賢島(かしこじま)に開業。古代生物アンモナイトをイメージした特徴な建物の中で、約450種類、約7000匹の海の生き物を飼育・展示してきた。

人気のマンボウ。悠々と泳ぐ姿は迫力満点画像提供:志摩マリンランド


同館を語る上で欠かせない存在が、一番の人気生物だったマンボウだ。飼育が難しいといわれるマンボウだが、同館では三重県近海でマンボウの水揚げが多いことから展示を開始。館内に設けられた個別の展示コーナー「マンボウ館」では、マンボウ特有のとぼけた表情や海面に横たわる姿が楽しめた。

同館も「マンボウの泳ぐ水族館」を標榜し、2016年には同館の駐車場入口に巨大なマンボウモニュメントを設置するなど、名実ともに志摩マリンランドのシンボルとして親しまれてきた。

「海女の餌付け実演」、志摩の伝統を水族館で

海女による餌付けのパフォーマンス画像提供:志摩マリンランド

また、志摩ならではのパフォーマンスとして人気を集めたのが、同館で一番の大きさを誇る「回遊水槽」で行われる「海女の餌付け実演」だ。サメやブリなど約50種2500匹の海の生き物が泳ぐ水槽内に、現役で活躍する海女や引退した海女が飛び込み、白い磯着を着た海女が、素潜りで魚たちに餌付けを実演。開業当時から、志摩を代表する文化の一つである海女文化を紹介する意味ではじまったもので、海の生き物とともに伝統文化の奥深さを感じられる展示だった。

さらに、全国でも珍しいペット同伴可能な水族館としても知られ、キャリーバッグに入るか抱きかかえられる大きさのペットであれば一緒に展示を巡ることができた。こうした垣根の低さもあり、家族のおでかけ先としてはもちろん、遠足や校外学習の行き先としても定番のスポットだった。

営業休止を前に来館者から「ありがとう」の声

1982年度には年間40万人の来館を記録し、2001年には現在の上皇ご夫妻が訪問されるなど、志摩の水族館として存在感を示してきた志摩マリンランド。2019年度の入館者数は15万1000人で、前年から約4000人減と、コロナ禍の中であることを考えれば堅調だった。

ペンギンお散歩タイム画像提供:志摩マリンランド


だが、開館から半世紀以上が経ち、施設の老朽化が著しく、これ以上の維持管理が困難となったことから営業休止が決定。同館によると、発表後の週末は休止を惜しむ多くの入館者でにぎわい、現在は平日でも日を追うごとに入館者が増えているという。

3月1日からは最後の特別展として、飼育員の好きな生きものや好きなポイントを紹介し、その中から厳選された生き物を展示する「見て!知って!スタッフおススメの生きものたち」を実施。エリア内に設けられた来館者のメッセージエリアには、「小さいころ訪れ、大人になってからも自分の子供を連れてやってきた思い出の詰まった水族館です。ありがとう」といった惜別の言葉や、小さな子供が書き綴ったであろうかわいらしいメッセージが寄せられ、現在では壁一面を埋め尽くしている。

志摩マリンランドの担当者はこうした反響を受け、「51年間多くの方々に支えられ、老舗水族館としての役割を果たしてきたことを誇りに思います。長い間、当館を愛してくださった皆様、本当にありがとうございました」と話している。

賢島にある水族館「志摩マリンランド」画像提供:志摩マリンランド


なお同館は、入館者の分散をはかるため、3月20日から最終日の31日(水)まで、営業時間を9時から18時(最終入場17時30分)と1時間延長している。

※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

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