窪塚愛流、俳優としての成長の裏に父・窪塚洋介や井浦新からの学び「楽しい仕事なんだろうなと思っていた」
東京ウォーカー(全国版)
井浦新からもらった、支えになっている言葉
――事務所の先輩である井浦新さんとは、ドラマ「あのときキスしておけば」に続き、今回も親子役ですね。本作での共演シーンは多くないですが、お話はされましたか?
【窪塚愛流】実は、映画の撮影のほうが先で、ドラマの撮影が後でした。映画の撮影の時はあまりお話しできなかったのですが、共演できたことがすごくうれしかったです!
僕、すごく人を見ちゃうクセがあるんです。お芝居の経験がほぼゼロでわからないことだらけだったので、お芝居はもちろん、井浦さんの現場での過ごし方などもずっと見ていました。

その後、ドラマの現場でまたご一緒した時には、セリフの言い方で悩んでいるところなど、お芝居について相談させていただいたんです。「別にセリフっていうのはきれいに言う必要はなくて、雑に言ってもいいんだよ」というアドバイスをいただきました。
その時は「雑って何だろう?」とすぐには理解できなくて、でも、あの時の僕は緊張もあって、セリフをセリフっぽく言ってしまっていたなと気付いて、「役の気持ちになって話せば、どんな言い方をしてもちゃんと聞こえる」ということなんじゃないかなと解釈しています。今では「雑に言ってもいい」という言葉が、お芝居をするうえでの支えになっています。
――ひとつ、大きな学びになったんですね。俳優という仕事をしていると、お父様でいらっしゃる窪塚洋介さんのお話もどうしても聞かれるんじゃないかなと思いますが、それに関してはどう感じていますか?

【窪塚愛流】父が出演した「池袋ウエストゲートパーク」がすごかったとか、そういう話は幼い頃からもう100回以上は人から聞いていて、ずっと言われ続けるのはすごいことだと思うし、父のことは好きで尊敬しています。かといって、僕の話をする時に父の名前ばっかりになったりするのは…。例えば自分のインスタライブの質問コーナーとかでは割となんでも話しているのですが、映画やドラマのインタビューで父の話ばかり聞かれるのは違うんじゃないかなという気持ちになります。
俳優、窪塚愛流として、しっかりと皆さんに認知してもらえるようになったらなくなるのかもしれませんが、正直、ネット記事のタイトルも“窪塚洋介の息子、窪塚愛流”じゃなく、窪塚愛流だけで書いてほしいです。ただ、実の息子なので、これからもそういうことからは逃れられないのだろうなとは思っています。

俳優という職業について「父を見て、楽しい仕事なんだろうなと思っていた」
――その覚悟もされたうえで俳優の道に進まれたということですが、俳優になろうと思ったきっかけにはお父様が関係しているんですか?
【窪塚愛流】そうです、がっつり関係しています。自分が物心ついた時から俳優である父を見て、楽しい仕事なんだろうなと思っていました。辛いところや、大変な姿を僕に見せていなかっただけかもしれないですが、僕が見ている限りではすごく楽しんでいて、俳優になりたいというより、自分もそういう楽しそうな仕事がしたいなというのが一番最初の思いです。その後、俳優として映画やドラマに出演したい、という気持ちに繋がっていきました。

――お二人でお芝居の話をされることも?
【窪塚愛流】最近はあまりないですが、この映画の撮影前には相談しました。読み合わせをしてもらい、セリフの強弱や波の付け方についてアドバイスをもらったり、「暗い人がいきなりバンっとテンションを上げたら、見ていておもしろい」みたいな例え話を交えながら、表現の仕方を教えてもらったりしました。今はそれほどお芝居の話はしていませんが、気になったことがある時や大きな壁にぶつかった時に相談することはあります。
「状況に左右されずにしっかりと演じられる俳優になりたい」と思ったエピソード
――楽しそうな仕事だと思ったのが俳優になったきっかけということでしたが、実際にやっている今はいかがですか?
【窪塚愛流】もちろん楽しいこともたくさんありますが、壁というか、自分の未熟さを目の当たりにしています。ドラマのオンエアを見て、つながりを意識しないで演じてしまっていたな、とか、今の笑顔は引きつっていたなとか、悔いが残る部分が毎回出てくるので、それを次の撮影に活かして、また次の課題が見つかってという繰り返しです。楽しくお仕事をさせていただいているけれど、自分は俳優としては、まだまだなんだなっていうのを最近すごく思います。

――では最後に、将来的にどんな俳優になりたいかというビジョンを伺いたいです。
【窪塚愛流】いろいろな現場を経験して、今はまず、どんな環境でも落ち着いてお芝居ができる俳優になりたいと思っています。別の作品で、冬の時期に夏のシーンを撮影したのですが、白い息が出ないように口に氷を入れて演じました。その寒さのせいで、普段は言えていたセリフがうまく話せなくなってしまって…。その時に、状況に左右されずにしっかりと演じられる俳優になりたいって思いました。それで今は、滑舌を特訓しています。
――芝居の基礎をしっかり鍛えることで自分の目指す、どんな現場でも余裕ある俳優になれるんじゃないかということですね。
【窪塚愛流】どんな作品や役柄ともしっかり向き合って、いろいろな役を演じ切れる俳優になりたいと思います。
撮影=小山志麻
取材・文=大谷和美
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