池田エライザ「世界中の人が共通の経験をした今だからこそ」と語る最新作で永瀬廉と共演

2022年1月25日 09:28更新

東京ウォーカー(全国版)

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King & Princeの永瀬廉が主演を務める映画『真夜中乙女戦争』が1月21日(金)に公開される。同作は、東京で鬱屈を抱える大学生の“私”(永瀬廉)が、“先輩”(池田エライザ)や“黒服”(柄本佑)と出会ったことで変化し、東京を破壊する計画に巻き込まれていくというストーリー。

本作で“先輩”を演じた池田エライザが、「世界中の人が共通の経験をした今だからこそ見てほしい」と太鼓判を押す作品についてや東京の魅力、また、コロナ禍で変化したエンターテインメントへの思いを語ってくれた。

【写真】池田エライザの見目麗しい撮り下ろしカット多数


共通の経験をした今だからこそ、希望を提示できる作品

――本作への出演が決まった時のお話を教えてください。

【池田エライザ】最初に話をいただいたのはコロナ禍になる前だったのですが、その時はしっくりこなかったんです。『真夜中乙女戦争』に描かれているようなカオスな部分もあるけれど、みんなそれぞれ「まっすぐ立っている」という感覚を世の中に対して持っていたので。

でも、その後コロナ禍になってしまい、現実に向き合うことや考えることに辛さを感じるような時代になりました。もちろん私たちの撮影も延期され、その間、何度も何度も脚本が更新されたのですが、最終的に今の形になった時に「参加したい」という気持ちがより強くなりましたね。

『真夜中乙女戦争』キービジュアル(C)2022『真夜中乙女戦争』製作委員会


――「参加したい」と強く思ったのはなぜでしょうか?

【池田エライザ】何度も脚本が更新された結果、1番素朴なところに行き着いて、見てくださる人の心にすっと浸透するんじゃないかと思えたんです。公開される頃、世の中がどうなっているかは想像がつかないけど、映画の中で描かれる破壊と構築の過程を見せることで「みなさんの世界は、まだやりようがあるんじゃないですか?」と希望を提示できるのではないかと。

それに、世界中がコロナ禍という共通の体験をしたことで、素直に励まし合うことができるとも感じました。ニュースで見た“とある事件”ではなく、全員が当事者である今だからこそ、この作品を見て「頑張ろう」と前向きになれると思いました。

――コロナ禍での撮影現場はどんな雰囲気でしたか?

【池田エライザ】「お疲れさま」「頑張ったね」「良いのが撮れたね」と言い合うような、希望にあふれた現場でしたね。こういう状況だからこそ、団結感があったと思います。

情けなくなればなるほど、美しい“先輩”像

――今回演じた“先輩”という役に対して、どのような印象を持ちましたか?

【池田エライザ】“先輩”は、行動と感情が矛盾していることが多いと感じました。誰かに手を差し伸べるのは自分が救われたいからであり、誰かの前で美しくあろうとするのは、自分を醜く感じているからというような…。でも、そういう両極端の間にいる姿が、見ている方に深く共感していただける彼女の魅力かなと思うんです。

――共感してもらえると思うのはどうしてでしょうか?

【池田エライザ】情けなくなればなるほど、美しくなっていく役なんです。友達に「ごめんね、こんな恥ずかしいところ見せちゃって」と言われた時に、素敵だと感じるような感覚に近いです。私は“先輩”の本音や弱い部分が出てくる度に好きになっていきました。

――役作りでこだわった点を教えてください。

【池田エライザ】クランクインするまで、あえて何も決めませんでした。“先輩”は『真夜中乙女戦争』の世界の中で、人に出会って影響を受けて、いろいろな思いを募らせて行動する子なので、本番がスタートしてから、目の前で起きていることだけ、その情報だけに、素直に影響されようと思ったんです。“先輩”の行動一つひとつに対して、池田エライザ由来のものなのか、それとも永瀬さん演じる“私”由来のものなのか、突き詰めて考えて挑みました。

『真夜中乙女戦争』で池田エライザは“先輩”役を演じた(C)2022『真夜中乙女戦争』製作委員会

――結果、“先輩”についてどのように解釈したのでしょうか?

【池田エライザ】最初は、すごく閉鎖的な世界であがいてるように感じて、だんだん“先輩”には“先輩”の人生があるんだということを感じました。いろいろな人と上手く関わって生きてきたからこそ、“私”の前では上手く生きられないもどかしさがあって、人間としての未熟さが浮き彫りになっているんだなと。

――映画の公式サイトでは「凛々しくて聡明」と紹介されていましたが、その点にはどのようにこだわったのでしょうか?

【池田エライザ】“先輩”の凛々しさは、永瀬さん演じる“私”を安心させたいからなのかなと考えていたので、そこまで強いこだわりはありませんでした。きっと“先輩”は、自分がどう見られているかに対して「そう思われているよね、私って」と嘲笑するキャラクターなんですよね。そう思われるように頑張ってしまう自分のせいで、気持ちが晴れない感覚です。意識して「かっこよく」とは思いませんでした。

――永瀬さん演じる“私”に対しては、どんな印象を持ちましたか?

【池田エライザ】漠然と「世の中が間違った方向に進んでいる」ことに気付いていながらも、自分の正義がどこにあるかわからない、誰でも共感し得るキャラクターなのかなと思いました。何かを否定する力、間違ってるよと言える力があるという点では、意外と希望があるんですよね。そういう点では“先輩”と似ているのだと思います。

『真夜中乙女戦争』で池田エライザが演じた“先輩”(C)2022『真夜中乙女戦争』製作委員会


「活かす」ことを考えすぎず、柔軟に生きていきたい

――同作の舞台は東京です。池田さんにとって、東京はどのような街でしょうか?

【池田エライザ】元々は働きに来る場所として捉えていて、休みの日は特段家の外に出たり、外食に行くこともなかったのですが、ようやく楽しめるようになりました。ここ2年は何もできていないですけどね。

――どんなところに楽しさを感じるのでしょう?

【池田エライザ】美術館があって、個展もたくさんやっていて楽しいなって。コアな展示をやっているのは、東京ならではですよね。特に建築模型の展示を見に行くのが好きです。

――2020年には映画『夏、至るころ』で企画・原案・監督を務めていらっしゃいましたが、池田さんにとってどんな経験になりましたか?

【池田エライザ】素晴らしいこと続きでした。主演の子たちが、作品を通して初めて触れる怒りや、悲しみに戸惑ってしまっている姿はとても美しく、その現場に立ち会えて良かったなと。

――演者として今後「活きてきそう」と思ったことはありましたか?

【池田エライザ】「活かそう」というつもりでやったら、失敗しちゃう気がするんですよね。なので、制作していた頃はとにかく劇場にいる方、画面の前にいる方に集中しようと思っていました。ただ、映画であれ、歌であれ、作っている瞬間ってひたすら地道なのですが、それが1番輝いていて好きだなと、再確認できました。

――コロナ禍で映画や制作の現場はガラリと変わったことだろうと予想します。そのような状況下で、エンターテインメントに対する思いは変わりましたか?

【池田エライザ】「私じゃなくても良いのかな」とは非常に思いましたし、その一方で「私に何かできることがあれば」とも思いました。物差しは人それぞれなので、たくさん働いていなければ「この仕事をやっている」と言えない、という方もいると思いますが、私は何か作品を作ることに携われたら、それでいいなと。

どんなに夢を抱いても、未来がその通りにならないことがあるというのは痛感したので、何に対しても決めつけすぎず、柔軟におもしろさを感じながら生きていけたらいいなと思っています。


取材・文=於ありさ
撮影=友野雄

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