神戸どうぶつ王国のハシビロコウはめっちゃ動く!「人に慣れてほしくない」と語る飼育員の真意とは?【会えなくなるかもしれない生き物図鑑】

東京ウォーカー(全国版)

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ペットじゃないから、人には慣れてほしくない

――ビッグビルによって、野生下に近い環境での飼育が可能になった。そんななか長嶋さんには、気を付けていることがあるという。

野生動物なので、ペットのようにかわいがることはできません。繁殖を目指す施設なので、どちらかというと人には慣れてほしくない。ハシビロコウにはくちばしをカタカタ慣らし、お辞儀をしてコミュニケーションをとる「クラッタリング」という行動があり、時々飼育員に対して行うことがあります。しかし私たちは、それに対して答えることはしません。繁殖に悪影響があると考えています。

オスのボンゴ。ハシビロコウは、くちばしを打ち合わせて音を出す「クラッタリング」でコミュニケーションをとる写真提供:神戸どうぶつ王国


繁殖はもうちょっと先?

ボンゴ(左)とマリンバ(右)。2羽による繁殖が期待される写真提供:神戸どうぶつ王国

――ビッグビルが作られた大きな目的が、ハシビロコウの繁殖。神戸どうぶつ王国ではハシビロコウの飼育当初から、繁殖を目指してチャレンジしてきた。

個体間の相性を見ていると、まだ少し繁殖には遠いという印象です。しかしビッグビルに移動してから、今まであまり見られなかった行動も出てきています。これまでは広さの問題から難しかったのかもしれませんが、オスがメスを探すような行動が増えてきました。具体的には上空を旋回しながら飛んでいます。

飛ぶボンゴ。ハシビロコウはかなりの長距離を飛べる写真提供:神戸どうぶつ王国


今までは移動する時に飛ぶ程度だったのが、そういった変化も見受けられるようになったので面白いなと思いつつ、注視しています。ちょっとした行動の変化や状態を観察し、臨機応変に対応できるように心がけています。たとえば、日照時間が長くなって運動量も増えてきているので、そろそろビッグビルの環境を繁殖期の「乾季」に変えるなど。

飛ぶボンゴ。その大きさを目で見て実感してほしい写真提供:神戸どうぶつ王国


アフリカの生息地では乾季が繁殖期、雨季が非繁殖期です。繁殖期の環境にする際は、ビッグビルの降雨をやめて池の水位を下げ、乾季を再現する必要があります。池の水位を下げると、エサとなる魚が取りやすくなります。もちろん、水位を下げただけでは何の意味もありません。豊富なエサがあることをハシビロコウに知ってもらうため、新たな魚を入れておくことも準備の一環です。

池にはナマズ、ドジョウ、ティラピアが放たれていて、ハシビロコウが捕食できるようになっています。現在は池の魚を取って食べるのに加え、私たちがエサを与えているのですが、最終的には池の魚だけで生きる、野生に近い状態になるのが一番ですね。

じっと魚を眺めるボンゴ写真提供:神戸どうぶつ王国

ナマズを狙って水面に近づくボンゴ写真提供:神戸どうぶつ王国

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