絶滅危惧の背景にコツメカワウソのペットブーム⁉かわいいだけではすまされない現実を飼育員が解説【会えなくなるかもしれない生き物図鑑】

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自然に近い環境で、器用に遊ぶカワウソたち

――同園はトリップアドバイザーの「日本の動物園ランキング」で、2年連続1位になっている。その秘密は展示の工夫にありそうだ。

こちらはツメナシカワウソ。コツメカワウソと顔立ちや毛色が違うのがうかがえる写真提供:高知県立のいち動物公園


カワウソの展示場は木々に囲まれた屋外施設。できるだけ自然に近い形で展示するようにしています。展示場内の倒木は、カワウソたちが登ったり、体をこすりつけてグルーミングをしたり、木の皮をはいで遊んだりと、よく利用していますね。

展示場はできるだけ自然に近い形に近づけている。こちらはツメナシカワウソの展示場写真提供:高知県立のいち動物公園


また、展示場内や周辺にもたくさんの木が植えてあるので、落ち葉や木の実が落ちてくるのですが、その落ち葉を散らして遊んだり、巣材にするために運んだりする様子も観察できます。コツメカワウソやツメナシカワウソは前足が器用なので、木の実や石を拾って転がしたり、投げ飛ばす様子も見られます。

コツメカワウソは前足が器用なので、石を転がしたりしてよく遊ぶ写真提供:高知県立のいち動物公園


カワウソの子育ては意外にもスパルタ教育。カニもバリバリかみ砕く

――愛嬌たっぷりのカワウソだが、時には意外な一面を見せることも。

あごの力が結構強くて、カニをバリバリかみ砕く姿を目撃することも。動物公園では川魚を中心に時々肉を与えていて、カニは寄生虫の問題があるため、生きたまま与えることはできません。ただ、自然に近い環境なので、まれにサワガニなどが裏の山から下りてきて展示場に紛れ込むことがあります。そんな時には捕まえて遊んだり投げたりして、最終的には食べてしまいますね。

ユーラシアカワウソは水かきが広く鋭い爪が特徴写真提供:高知県立のいち動物公園


また、ユーラシアカワウソの母親が子供に泳ぎを教える姿も、日ごろのカワウソからは想像できないスパルタぶりが印象的でした。カワウソって、実は最初から泳げるわけではなく、子供のころは水を怖がって泳げないのです。

ユーラシアカワウソが繁殖に成功した後、その子供が生まれて初めて展示場に出たときは、水を怖がってピーピー悲鳴をあげていました。しかし母親は、水に引きずり込んで泳ぎを教えていました。岸に上がろうとしても何度も引きずり込んで特訓をしていて、そのスパルタぶりに「そこまでしなくていいのに…」と衝撃を受けたのですが、これがあるからカワウソは泳ぎが上手なんだなとも思いました。少しずつ泳ぎが上達していく子供の成長を観察できて、とても貴重な経験でしたね。

カワウソはみんな水かきがあり、泳ぎが得意。とはいえ、それは母親のスパルタ教育のおかげ?泳ぐユーラシアカワウソ写真提供:高知県立のいち動物公園


文句も言うし、しょんぼりもする。表情豊かなカワウソたち

カワウソはよく寝ているイメージがあるので、のんびりしているように思われますが、動きはかなり俊敏。喜怒哀楽が分かりやすく、パワフルで表情豊かです。

エサを食べているときは本当にうれしそうに食べますし、ちょっとエサの時間が遅くなるとコツメカワウソなんかは文句を言いながら食べていることがあります。怪我をしたり調子が悪い時はしんどそうで、しょんぼりしているようなときもあって、表情が豊かでわかりやすい。いくら観察しても飽きることがなく、惹きつけられる動物です。

身を寄せ合って眠るコツメカワウソ。夜行性なので、昼間は寝ていることも写真提供:高知県立のいち動物公園

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