絶滅危惧の背景にコツメカワウソのペットブーム⁉かわいいだけではすまされない現実を飼育員が解説【会えなくなるかもしれない生き物図鑑】

東京ウォーカー(全国版)

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まだまだ謎が多いカワウソの生態

――同園ではユーラシアカワウソの繁殖に成功しているが、実はカワウソの繁殖は難しいといわれている。

カワウソのメスは4歳ぐらいから繁殖が可能になりますが、野生下での繁殖についてはまだわかっていないことも多いのが現状です。うちの個体も仲はよいのですが、ペアリングして相性がよくても繁殖に至らない場合があります。

また、日本国内のカワウソは個体数が少なく、コツメカワウソとユーラシアカワウソについては全国の動物園や水族館と共同で管理して、「この個体とこの個体で繁殖させよう」といった計画を立てて進めています。しかし、兄弟など血統の問題もあるので、単純に年齢が合えばいいというものでもないのです。

――繁殖だけではなく、カワウソの生態はまだまだ分からないことが多いそう。重要な「健康」についてもそうだ。

愛嬌たっぷりのしぐさで来園客の人気を集めるコツメカワウソ写真提供:高知県立のいち動物公園


カワウソは腎臓に結石ができやすい動物ですが、なぜできるのかわからないことも多く、予防方法についても全国の園館で協力して調べています。年に一度定期検診はしていますが、日ごろからの健康管理が大切で、難しいなと感じています。

カワウソは比較的表情に気持ちが出やすく、どこか痛いときは痛そうな顔に。そんな時は怪我をしていないか、動きがおかしくないか毎日よく見て、少しの変化にも気付けるよう心がけています。体を触ったり、前足を見たり、口腔内を確認したりして、異常がないか確認します。チェックさせてくれたらエサを与え、お互いが嫌な思いをしないように慣れてもらう。これを「ハズバンダリートレーニング」といいます。

コツメカワウソの前足の使い方を観察するのも面白い写真提供:高知県立のいち動物公園

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