現役女子大生タレント・中川紅葉がSNSの誹謗中傷を考える「言われっぱなしでも仕方がないのか?」/ココロすっぴん#27
東京ウォーカー(全国版)
どうかこの方がこれ以上傷つきませんようにと願いながら
インスタライブをすれば、卑猥なコメントや嫌がらせの言葉を平然と言えてしまう人たちと出会う。令和というこの時代に、ネットリテラシーが謳われるこのご時世に、そんなことをしてしまえる感覚が理解できない。顔を晒して仕事をする立場にあると、何を言われてもそれに反応することすらできないのか。言われっぱなしでも「仕方がない」ものなのか。そういえば、もう4ヶ月ほどインスタライブをしようと思えていない。
高校時代から容姿の派手さに悩むことが定期的にあった。これは美醜とはまた別の次元の話で、例えばまつ毛が長いとか目が茶色いとか唇が厚いとかで、いわゆる「チャラく」見えることが多かった。それが嫌でまつ毛を切ったりわざと黒髪にしたりしていた時期もあった。
そんなどうでもいい周りからの見え方を気にしていた頃を最近は思い出してしまう。周りの大人たちにヘラヘラと“偶然見つけた言葉たち”が心に刺さったことを話すと、みんな口をそろえて「一見、耐性があって強そうだからなぁ紅葉ちゃんは」と言う。そうだった、その通りだ。悪い方向に“強そう=何言っても大丈夫そう”と働くことがあるんだった。
半笑いでしか相談できない私に、いつも真剣な顔で解決策と一番言ってほしい言葉をかけてくれる大人がいて恵まれているなと思う。きっと、言葉の重みに耐えられなかった人の周りには、こんなにクレバーで優しい人がいなかったのかもしれない。
言ってはいけないこと、齟齬が生まれること、悪口。探さなくてもタイムラインに流れてくる。“傷つく人がいる発言”“傷つけるための発言”“自分の気持ちだけの発言"に毎日出くわす。応援している有名人のツイートを見ていると、それに噛みつくコメントまで見つけてしまい、自分のことではないのに涙が出そうになる。
吊し上げられないと思っているから簡単に書き込んでいるのだろうか。相手が有名人だから何を言ってもいいとか、どうせ届かないから良い、と思っているのか。何かがあったら消すでは済まされない。そんなリプライやツイートを見るとそっと通報してしまう。どうかこの方がこれ以上傷つきませんように、見ていませんようにと願いながら。
もう誰もSNSで傷つかない方法はないのだろうか。もう二度とSNSで悲しむ人が出ないことなど不可能なのだろうか。
【ヒトコト】
前回書きたいことがあると言いましたが、それは今後に回すことにいたしました。ということで、年内最後がこんな暗めなエッセイ!(笑)
来年はどんな年になるのでしょうか。どんな年にしてやろうかなと楽しみです。よいお年を〜。
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