ナイチンゲールダンス・ヤスのコラム連載!主催ライブを通して考え続けた需要と“オタク心”【ヤスのコラム#5】
東京ウォーカー(全国版)
神保町よしもと漫才劇場に所属し、「M-1グランプリ2023」では準決勝進出&敗者復活戦3位という結果で注目を浴びたお笑いコンビ・ナイチンゲールダンスのヤス。“尖り芸人”と呼ばれた過去もあるが、その素顔は「真っすぐで熱い男」だ。そんな彼が日々感じたことを書き綴る連載「ヤスのコラム」。第5回は、主催ライブを通して需要を考え続けてきたことについて。
第5回「吉本で一番主催ライブ打ってみたらほんのちょっとファンの需要分かった話」
ヤスです、5年前吉本で一番多い年間97本の主催ライブやりました。2位は4本です。
なぜこんなに主催ライブやってるんですか?と聞かれますが本当に明るいだけなんです。自由に使っていい河原とBBQセットがあるから毎日知り合い呼んでBBQしてただけです。で、そのBBQをお金払って見にきてくれる方がいて「ある程度大人数に見てもらわないと自由に河原使わせてあげないよ」ってその河の支配人から言われたので、じゃあどうやったら人って集まるのかなって考え出しただけです。
みなさんは何かのオタクやってますか?ここまでたどり着いたあなたは、なにかしらやってると思います。
さあそこで僕、ヤス、サッカー部の陽キャはなにかのオタクになったことはありません。多分これからもないです。
これって集客を増やすにあたって結構ピンチです。だってどうやったら芸歴3年目前後の芸人を劇場に見に来るくらいの猛者オタク、そしてミライの猛者オタクであるミライオタクモンスター(親愛なる)を魅了出来るのか、そもそもそれってなんなのか、自分が持っている引き出しがまるでないのです。
その事実に気づいた時に、愕然としました。そしてナチュラルオタク心を持つ方々に憧れました、例えばぼる塾の田辺さんみたいなDNAにオタクって彫ってあるホンモノの感性には辿り着くことは出来ないのです。
なのですぐ憧れるのをやめました。明るいので。
とりあえず手探りで色々試して反応が良かったものから傾向を知って独自のルール、暗黙の了解などを頭に入れつつやってみたら「ヤスさんはファンの気持ち分かってる」とたまに言われるくらいにはなりました。
ただ僕は何度も言いますが、需要を考え続けているだけで理解はしているつもりはありません。でもそれで良いと思うし、むしろナチュラルオタクは感覚なのに対してこっちはやっていることを言語化出来るので、秀でている面もあると思います。
今僕が話したことって営業やらマーケティングやらビジネスの世界でもそうなのかなと勝手に思っています。就活もしたことないのに。
お客様の立場になるって簡単に言うけどとんでもなく難しいことだと思います、でも考え続けて試し続けることは出来ます。そしてこれは僕の体感ですがこの考え続ける姿勢、そしてそれをどうですかこれと試し続ける姿勢だけでもお客様は嬉しい時全然あります。
これからも僕は考え続けて試してみて、全然ダメだったら「っていうのは冗談ですへへへ」くらいでやっていきます。明るいので。
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