フィギュアスケート・近畿ブロック大会レポート4 【ジュニア女子・後編】

2016年10月28日 18:21更新

東京ウォーカー(全国版) 編集部

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全日本ジュニア、ファイナルに向けてこれから急ピッチで仕上げる、坂本花織

全日本ジュニアまでには本調子に戻し、表彰台を目指してほしい

JGP日本大会で優勝を果たした坂本花織。しかしその後、調子が上がらずにいたようだ。

「今日はそれなりの演技が出来たので良かったです。リンクが小さくて、いつも通るコースよりも内に行かなければいけなかったので怖かったです」

ショートプログラムではステップでつまづく場面があり、リンクの影響かとも思われたのだが、ここは「コースを間違えました。やらかしました。しかもジャッジの真ん前」と包み隠しもせずに話してくれた。ジュニアグランプリで2試合とも表彰台に乗ることができ、一躍、ジュニア女子のトップ選手として定着した彼女だが「日本大会で優勝してほっとして、ちょっとゆっくりし過ぎました。自己管理が乱れました」と取り繕うこともなく率直に話す。この率直さが坂本選手の魅力なのだが、最近は精神面での成長を著しく感じる。たとえ練習では調子が悪くても試合ではきっちり決める。本人は「根性です」と言うが、昨年とはアスリートとしての自覚が違う。食事についても気を付けるようになったそうだ。今は炭水化物を朝しか摂らないようにしているそうで、「家でお父さんが白ご飯を目の前で食べているのを見るのが辛い。丼物の時は上の具だけ。カレーライスの時はルーのみ。辛いです」。そんな食事制限をしている娘にそういうメニューを出すのもどうかと思うが、「お母さんは色々考えてくれています」と感謝の言葉を忘れなかった。和菓子が好きだそうだが、今はそれも我慢しているという。そして昨シーズンは、ひとつミスすると試合を投げてしまうことがあったのだが、そういったムラを見せる面が見事に鳴りを潜めた。

「練習でいつも先生に怒られてやっているので、精神的に強くなりました。でも今でもひとつミスしたら崩れると思うので、そのひとつのミスをしないように心掛けています」

「今は先生の厳しさをプラスに捉えられるようになりました。人の話を素直に受け入れられるようになってきました。そこが変わったかな」

それこそが、今季の彼女の躍進を支えたのだろう。翌日のフリースケーティングではミスがあり、総合3位に終わったが、「課題を改善して、全日本ジュニアで表彰台に乗りたい」と前を向いた。卓越した運動神経と、天真爛漫なキャラクター。実に魅力的な選手だ。今後の抱負を聞くと

「今のプログラムは後半のジャンプが2個しかありません。後半のジャンプを増やしたいと考えています。氷上練習だけではなく、陸上でもしっかり走り込んだり、体幹を鍛えたり、怪我をしない体を作りたい」

全日本ジュニア、ジュニアグランプリファイナルと、一段と成長した彼女の活躍を見られることだろう。

長身で美しい演技が持ち味。岩元こころ

美しいバレエジャンプを跳躍する岩元こころ

この試合のショートプログラム、目標としていた60点にギリギリ届かなかったことが悔しいというが、ジュニアグランプリに出場したことで自信がつき、堂々と演技できるようになった印象を受ける。

「JGPロシア大会は、普段から仲がいい白岩優奈選手と一緒だったので楽な気持ちで行けました。外国の試合は日本に比べてお客さんがいないと聞いていましたが、ロシアはお客さんも入って反応も良かったです。ツルスカヤ選手と一緒に練習できて、間近で観れたことが刺激になりました。躍動感、ジャンプの高さ、幅が凄かった」

長身の岩元こころにとって、同じく長身でありながら動きの切れ、スピードに長けた海外の選手の演技は刺激になったようだ。「見習えるところを見習いたい」と意欲を見せた。

「ショートプログラムの“マラゲーニャ”、物語でもないし、最初は何を伝えていいのか分かりませんでした。そんな時、『自分らしく伝えたいことを伝えればいいんじゃないか』と思ったんです。“マラゲーニャ”だけど、他人とは違った“マラゲーニャ”にしたい。激しい曲かなと最初は思っていたんですが、意外とゆっくりの部分もある。品のある感じに演技したいと思います」

段々と、彼女なりの新たな“マラゲーニャ”像が見えてきているようだ。そして今季の彼女のフリープログラム、“スペルバウンド”。回を重ねるごとに素晴らしさを増す印象だ。

「私も大好きなプログラムです。ただ今回は後半にスピードが落ちてしまいました。スピード、勢いを最後まで落ちないようにしたい。全日本ジュニアには仕上がるよう、間に合わせたいです」

百花繚乱ともいうべき豪華な顔ぶれとなった近畿ブロックのジュニア女子。これから西日本、そして全日本ジュニアへと戦いは続く。この混戦から、誰が抜け出しても不思議はない。今週末の西日本選手権での戦いに期待が高まる。

※「シニア男子」編へ続く 【東京ウォーカー/取材・文=中村康一(Image works)】

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