チーム広報が振り返る、名古屋グランパスのJリーグ初制覇の舞台裏《10周年特別企画・前編》

東海ウォーカー

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入団記者会見は、豊田スタジアムにファン・サポーターを招待しておこなわれた(C)N.G.E.

闘莉王選手(左)と金崎選手(右)の入団記者会見の様子(C)N.G.E.

当時のチームメンバーについて、「こだわりの強い選手が多くて、取材の調整も大変だった」と笑う梅村氏。実力もある個性派集団を、当時は誰がまとめていたのだろうか。

日本代表でも共にプレーした楢﨑正剛選手(現・クラブスペシャルフェロー兼アカデミーダイレクター補佐兼アカデミーGKコーチ、中央)と田中マルクス闘莉王選手(右)の関係性がよく伝わる一枚(C)N.G.E.

「加入1年目の闘莉王選手だと思います。思ったことをどんどん意見し、存在感を発揮していましたね。その闘莉王選手が兄貴分のように慕っていたのが、楢﨑正剛選手(現・クラブスペシャルフェローほか)です。楢﨑選手はチームでも長い間キャプテンを務めていましたし誰もがリスペクトする偉大な選手でしたが、言葉でグイグイとチームを引っ張るというより背中で語るタイプでした。2010シーズンからは、闘莉王選手が時に感情をむき出しにしながらチームを引っ張り、それを楢﨑選手が後ろから支えるという構図ができ上がりました。長年生え抜きとしてチームを支えてきた中村直志選手(現・クラブアカデミースカウト)や吉村圭司選手(現・クラブU-18コーチ)もいましたし、小川佳純選手は若手とベテランをつなぐパイプ役になってくれました。そういう意味でも、非常にバランスのいいチームだったと思います」

2001年に加入後、2014年の引退までグランパス一筋でキャリアを過ごした中村直志選手(C)N.G.E.

2008シーズンに新人王をJリーグベストイレブンをダブル受賞するなど、クラブに欠かせない存在となった小川佳純選手(C)N.G.E.


アウェイFC東京戦に象徴される勝負強さ


実力のあるベテランと生きのいい若手に、闘莉王選手らの“勝者のメンタリティ”が加わったことで、2010シーズンのグランパスは開幕から勝ち点を積み上げていく。

2009年に加入した三都主アレサンドロ選手は、日本代表としても活躍した(C)N.G.E.

「印象に残っているのが、第17節のアウェイFC東京戦。後半アディショナルタイムに三都主(アレサンドロ)選手のクロスから闘莉王選手がヘッドで劇的弾を決めて、0-1で勝ち切った試合です。それまでなら『引き分けの勝ち点1でOK』とされていたような場面でも最後まで勝ち点3を狙って、実際にもぎ取った。とにかく接戦でも勝ち切る試合が多く、側で見ていてもチームの勝負強さを感じましたね」

2010シーズンのグランパスの最終成績は、23勝8敗3分。引き分けの少なさは顕著だった。最後まで諦めずに勝利を手にする――この年のクラブスローガン“Never give up for the win. ―さらなる高みへ―”を、チームとして見事に体現していたのだ。さらに梅村氏は続ける。

「それに、あのシーズンは一度も連敗がありませんでした。(ミッドウィークの試合で)0-4で川崎フロンターレにやられても、その週末には3-1でガンバ大阪に勝利するなどメンタルが強くて、とても頼もしかったのを覚えています」

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