「カロリーメイト」の黄色いパッケージに込められた意味とは?全種類食べて大塚製薬に開発秘話を聞いてみた

東京ウォーカー(全国版)

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カロリーメイトの原点は「流動食」!

1983年に発売されて以来、忙しい日々を送る人の強い味方であるカロリーメイト。チョコレートやメープルなど甘いフレーバーが多いことからお菓子のように感じるが、実はそれらとは一線を画す「栄養調整食品」というジャンルに位置している。

「もともとカロリーメイトは医療現場などで使われる経管・経口栄養食がルーツの商品なんです。開発当時は食べ物の欧米化が急速に進み、食生活の乱れが増加傾向にありました。そこで当社が発売していた『ハイネックス-R』という流動食を一般向けに応用し、栄養バランスを調整・補助できる商品を作ることにしました。それがカロリーメイトです」

大塚製薬が開発した、経管・経口栄養食「ハイネックス‐R」(左・液材、右・粉材)。点滴に代わる栄養食


そうして「点滴に代わる栄養食」としてリキッドタイプ、イギリスのショートブレッドの形をヒントに「新しい朝食」としてブロックタイプが開発されることになった。発売当初はそれまでなかった食品であったため、まずはスポーツ栄養に着目。栄養バランスの価値が伝わり浸透していった。現在は30~40代のバリバリ働く世代はもちろんのこと、子供から大人まで親しまれている。彼らの栄養バランスを支えていると思えば、カロリーメイトは日本の経済を支えていると言っても過言ではないかもしれない。

味と栄養バランスへのこだわり。「お菓子ではない」その役割

カロリーメイトを作り続ける1番の目的は、バランスのとれた栄養を提供すること。そのため新商品の開発の際は栄養設計から行い、後にフレーバーづくりを進めるという流れになっているという。「バランス栄養食」をコンセプトに作られているため、「クッキー」や「ジュース」ではなく「ブロックタイプ」「リキッドタイプ」と呼ぶのも、“栄養調整食品でありお菓子ではない”という強い意思の表れだろう。

カロリーメイト・チーズ味


それでも味は食事の楽しみの1つ。現在のブロックタイプのフレーバーは先ほど食べ比べた5種類で、これまでにはプレーンやポテト味などもあったが、人々の好みを調査したり時代の流れに合わせたフレーバーで展開している。

「さまざまな味や、ブロックタイプだけでなくリキッドやゼリーといった形状があるのは、選択肢を提供し、幅広い年代の栄養バランスを支えることができるようにするためです。カロリーメイトのこだわりは、この栄養バランスと味の両立です。皆様に長く普遍的に愛される製品であり続けたいと思っています」

カロリーメイト・チョコレート味


2022年3月に新発売されたバニラ味は、今では1番人気のチョコレート味に匹敵する大人気商品になっているという。リモートワークや外出自粛で家にいることが多くなっているなか、飽きずに食べることができる工夫がされているんだとか。

「バニラ味はチョコチップを入れて味にアクセントを出したり、味にキレの良さを出したりという細かな工夫をして、食べ続けられるような味わいになっています。私も開発段階で4〜5カ月ほど食べ続けましたが、今でも食べ続けていて、いつも手を伸ばしています。比較的若い方に人気のようですが、子供から大人まで馴染みのある味でもあるので、ぜひいろんな方に手に取っていただきたいです」

カロリーメイト・バニラ味


実は少しずつ変わっている!?パッケージの秘密

カロリーメイトといえば、黄色地に英語の「Calorie Mate」の文字、そして細かな英文が書かれたパッケージ。この外国の食品のようなおしゃれなパッケージは発売当初からほとんど変わっておらず、フレーバーに合わせて「Calorie Mate」の色と下の英文が変えられるだけだという。

「フレーバーごとに変わる文字の色は、食べた時の感覚に近い色を選定しています。できる限りイメージに合う色にできるよう、あの文字の色ですら何度も会議をして話し合って決めているんです。また、商品名の下の英文には栄養成分が書かれています。こちらも商品に合わせて変えています」

カロリーメイト・フルーツ味

カロリーメイト・メープル味


そして目を引く黄色い箱には、実はこんなエピソードがある。

「黄色のパッケージにも実は深い意味があります。部活帰りの駅の売店に差す、夕日の光に負けないような黄色なんです。おなかが空いた学生がすぐに見つけられるように、という思いが込められています」

ここ数年、カロリーメイトは受験生の応援なども行っているが、実は発売当初からずっと学生たちに寄り添っていたのだった。

初代のカロリーメイト・チーズ味。現在のパッケージとほとんど変わらないが…


栄養調整食品として人々の健康と社会を支える存在に

近年の生活様式が変化したことで、もともと外出先で食べられることが多かったカロリーメイトは家のなかでも用いられるようになったという。学校に行けなくなった子供たちや在宅時間が増えた人たちの食事や補食に使われるなど、手軽に食べれられる栄養調整食品としての需要も高まってきているそうだ。

「時代の流れによって、栄養や健康に対する問題は必ずあります。カロリーメイトはバランス栄養という製品価値を提供し続けることで、今後も栄養面からサポートする製品として多くの人々の健康を支え、貢献していきたいと思っています」

カロリーメイトリキッド。左からカフェオレ味、フルーツミックス味、ヨーグルト味

カロリーメイトゼリー。左からアップル味、フルーティミルク味、ライム&グレープフルーツ味


さまざまな健康への課題が沸き起こる現代社会。仕事や家事、学校が忙しかったり、食生活が乱れがちな現代人にとって、1番問題になっているのは栄養不足から来る心身の不調。それを手軽に補助できるカロリーメイトは、人々の健康な生活を支える縁の下の力持ちだった。これからはおなかが空いた時だけでなく、不摂生が気になった時にも食べてみては?

取材・文=越前与

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