謎に包まれたミニカバの生態に迫る。野生でほとんど出会えず、むしろ動物園でしか会えないかも?【会えなくなるかもしれない生き物図鑑】

東京ウォーカー(全国版)

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野生を身近に感じられる動物園や水族館。動物たちは、癒やしや新たな発見を与えてくれる。だが、そんな動物の中には貴重で希少な存在も。野生での個体数や国内での飼育数が減少し、彼らの姿を直接見られることが当たり前ではない未来がやってくる、とも言われている。

そんな時代が訪れないことを願って、本連載では会えなくなるかもしれない動物たちをクローズアップ。彼らの魅力はもちろん、命をつなぐための取り組みや努力などについて各園館の取材と、NPO birthの久保田潤一さんの監修でお届けする。第5回の今回は、大阪府の「 ニフレル」の獣医・村上翔輝さんに、ミニカバ(コビトカバ)についてお話を聞いた。


カバの子供に間違えられるけど、顔も体も全然違う

――2015年11月にオープンしたニフレルは動物園と水族館、美術館を融合させたミュージアム。大型動物から小型動物、魚類までさまざまな生き物の生態に触れることができる。現在、ミニカバは開園当初から飼育されているオスのモトモト(2013年7月9日生まれ)と、メスのフルフル(2012年12月17日生まれ)、2021年6月18日に2頭の第2子として誕生したメスのテンテンの3頭が飼育されている。

第2子・テンテンの愛称は、赤ちゃんが「おてんば娘」であることと、元気に走り回ってできた足跡が「点点」とつな がるように、その愛らしさでお客様と生きものをつないでほしい、との思いが込められている写真提供:ニフレル


ミニカバはその見た目から、カバの仔とよく間違えられますが、カバとはたくさんの相違点があります。まず、顔の形が違う。カバは四角形に近く、ミニカバは洋梨型。さらにカバの目は突出していて横向きについていますが、ミニカバの目は突出がなく前の方についています。これは熱帯雨林で暮らしており、陸にいる時間が長いために発達したと言われています。そして、体重はミニカバが200~250キロ程度なのに対し、カバはトン単位になります。

モトモトとフルフルの第1子、タムタム。洋ナシ型の顔や目など、ミニカバの特徴がよくわかる。まだ幼獣ということもあり、表情があどけない写真提供:ニフレル


アボカドにせっけんを塗って、ミニカバの触り心地を体験しよう

皮膚も特徴的でほかの動物と大きく違うのが、毛がほとんど生えておらず皮膚が露出している点。なので、ちょっと木に引っかかっただけでも傷つきやすく、私たちは傷が増えていないか普段から注意深く観察しています。皮膚表面には抗菌や抗紫外線作用のある体液が出て体を守っていますが、寝ているときは体液が出ておらず、結構カピカピしています。

のんびりと眠るオスのモトモト。いわれてみれば、アボカドに見えてくる写真提供:ニフレル


触り心地はアボカドに似ていると、私は思っています。お腹の方は結構柔らかいんですが、背中の方のごつごつ感や色はまさにアボカド。ニフレルでミニカバを飼育し始めたころ、モトモトの後ろ姿がアボカドに似ているという意見もあったようです。アボカドにせっけんやローションを付けると、ちょうどミニカバの触り心地になるので、ぜひ試してみてください(笑)。

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