「お〜いお茶」のパッケージにある「俳句」の選出基準とは?伊藤園に聞いてみた【8月19日は俳句の日】
東京ウォーカー(全国版)
商品パッケージに掲載する作品の意外な選考基準
「お〜いお茶」シリーズの商品パッケージに掲載されている作品は、前年の新俳句大賞の入賞作品2000句が掲載されている。何を隠そう、それを選んでいるのが横山さんだ。では、一体どのような基準で選んでいるのだろうか。
「まずは入賞作品のうち、上位の賞から順番に選出しています。どの『お~いお茶』商品にどの入賞作品を掲載するかは何か決まった基準があるわけではありませんが、新俳句大賞のコンセプトである『お茶を飲むひとときをもっと楽しんで欲しい』という思いから、少し工夫をさせていただいてます。例えば『お〜いお茶 初摘み新茶』であれば、『新』の文字が入った句を選定していますね。また、関西限定の商品であれば関西の方の作品を、秋口に発売したパッケージであれば秋っぽいものを選んでいますね。ほかにも『お~いお茶 濃い茶』は、主に50〜60年代の方にご愛飲いただいているので、同年代の方の句にしてみたりなどいろんな試みをやっています。誰も気づかないんですけどね(笑)」




審査員たちが思わず度肝を抜かれた作品とは?
新俳句大賞の特徴の1つが、実は応募者の92%が学生であるということ、毎年その年代の素直な心情が表現された作品が多く寄せられるんだとか。そしてなかには横山さんや審査員が思わず見返してしまうような、ユニークなものもあるという。
「直近だと、第32回 文部科学大臣賞作品の『花鳥風月私はここに海入れる』が、とても印象的でしたね。中学生の作者曰く『海も自然界の美しい景物の1つだと思ったから』という理由でしたが、『花鳥風月』は和歌以来の伝統的な季語なので、本来『海』を入れることはできないのです。ただ、言われてみれば日本は海に囲まれた島国なのだから、ある意味そう思って当然なんですよね。このように、私たち大人ではなかなか思いつかないような作品がたくさん寄せられるので、見ていてとても楽しいです!」

また、直近の第32回「高校生の部」大賞は、『君の青を枯野に転写してくれないか』という青春の恋を表現した作品。俳句会の重鎮に「100年に1人くらいの逸材。将来大物の俳人になるかもしれない」と言わしめたというのだ。素直な心情を綴った作品が寄せられる一方で、このようにとんでもない実力を持つ学生が現れるなど、今後が楽しみで仕方ない。



今だからこそ「俳句」を。伊藤園が掲げる目標
今年で34回目を迎える新俳句大賞。文部科学省が後援ということもあり、学校教育にも大きく貢献するなど、もはや日本にとってなくてはならない一大プロジェクトにまで発展している。最後に、横山さんに今後の展望を聞いた。
「1989年以来、新俳句大賞は『お〜いお茶』とともに歩んできましたので、これからも変わらずお茶を飲みながら俳句を楽しんでいただけるよう邁進していきたいと思います。最近では、テレビで俳句を扱う番組が人気になるなど、若い世代の方の関心が高まってきていることを実感しています。弊社としても今後20〜30代の人にも参加していただけるような企画を打ち出し、よりたくさんのお客様に『お~いお茶』を通して俳句の楽しさに接していただく機会を作っていきたいと考えています」

心の機微を17文字だけで表現する俳句。リモートワークが普及したことで、自身の思いや考えを文字だけで伝える機会が増えた今こそ目に触れたい文化だ。
取材・文=西脇章太(にげば企画)
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