元Jリーガー志望から経営者へ。人生のミッションは「人と人がリアルで会うことを残し続ける」こと
東京ウォーカー(全国版)
提供しているのは、“人と人、人と体験が会う手助け”
――駐車場の分布に特徴はありますか?
【金谷元気】関東では東京、神奈川、千葉、埼玉。関西では大阪、京都、神戸。この辺りがやっぱり多いです。人口も多いですし県外から車で訪れる人も多く、需要が高いため多く用意していますね。
――いまあげた場所は、土地が狭く駐車場が少ないイメージです。
【金谷元気】そうなんですよ、あと料金が高いじゃないですか。でも『akippa』にはこれまでご自身ではあまり宣伝できていなかったパーキングなどもあるので、銀座でも1日1500円くらいで停められることもある。そういうところをどんどん掘り出していっています。
――では、ユーザーさんからの声や反響を教えてください。
【金谷元気】例えば、「『akippa』の駐車場が安いので通勤手段を車に変えました」とか「イベントやライブの際に予約できるから助かります」とか。「帰省しておばあちゃんに会いたいけど駐車場がないからできなかった。『akippa』の駐車場ができて帰省する回数が増えた」といった声もありました。
【金谷元気】特に印象に残っているのは、「孫の運動会に1年生から5年生のときは行けなかったが、6年生の最後の運動会だけ『akippa』の駐車場を見つけて行くことができました」と。そういった声をいただくと励みになります。
――すてきなエピソードですね。生活を変えてしまうくらいの力を持っているとは思いませんでした。
【金谷元気】人と人が会う回数を増やすことができる、その力が駐車場にはあるんです。当社のビジョンが「あなたの“あいたい”をつなぐ」なのですが、先ほどのような声をいただくとそれを実現できているのかなと思います。
【金谷元気】なかには年に3回しか稼働しない駐車場もあるんですよ、お盆と正月とゴールデンウィークだけ。でもそれは『akippa』だからこそできることで、その場所があるから帰ってくる人もいるというのはすごく価値が高いと思っています。例えば地方でイベントがあるときだけ稼働するという駐車場も、人がイベントやライブに行って元気をもらいたいというときの手助けになったりする。どんな場所でも何かができると思い、日々考えています。

――イベントなどの際には『akippa』のユーザーは、穴場に停められるということですね。
【金谷元気】そうですね。最近はイベントやスポーツによく行く人は『akippa』を知っていて争奪戦が起きてしまっているので、もっと各地で駐車場を増やしたいと思っています。
――現状、需要と供給のバランスでいうと需要のほうが多いのでしょうか?
【金谷元気】需要のほうが多いですね、供給が足りていないので駐車場のほうをとにかく増やしていくといったところです。
――では、事業の今後の展望・展開を教えてください。
【金谷元気】まずは世界中で駐車場に困らないようにしたいので、どんなエリアでも『akippa』が登録されるようなプラットフォームに育てていきたいと思っています。また、将来的には海外への展開も考えています。これまではビジネスドリブンで、営業して駐車場を増やしていくスタイルなのですが、これだけだと線形な成長しかしないんですよ。足し算にしかならないのですが、『メルカリ』のようなマーケットプレイス型にして、自分で簡単に駐車場を登録できて、勝手にどんどん駐車場が増えているという状況をつくる必要があると考えています。
【金谷元気】そうすると非線形に、知らない間にいっぱい、我々の知らない場所に駐車場が増えているという状況を実現することができます。営業ばかりのビジネスドリブンではなく、プロダクトドリブンな成長も両輪でできるように、またこれまで自分たちがテックカンパニーだとは言い切れなかったのですが、“真のテックカンパニーになる”という目標を掲げエンジニア採用を強化しています。
――具体的にはどのような施策を考えていますか?
【金谷元気】いまの登録システムだと結局、営業担当者が対面で本人確認を実施したり、お申し込みいただいたあとに社内で写真をチェックしたりして返すという人力の部分が多く、時間がかかっているのが現状です。そうではなくAIを活用したり、オンライン本人確認をするなど審査を効率化できるようにしないと手軽じゃないなと思うので、それが課題であり、今後力を入れていくところですね。
――ありがとうございます。では、金谷さんが仕事において大切にしていることはなんですか?
【金谷元気】私は基本的にミッション・ビジョンの実現がすべてだと考えています。売上目標や上場といったことももちろん必要ですが、そういうものはミッション・ビジョンの実現に通じているかがすべて、手段でしかないので、そこをとにかくブレないようにしています。例えば「これをやれば売上がこれだけ上がるよ」ということでも“なくてはならぬ”ものにつながらなければやる必要はない。ミッション・ビジョンが一番大切で、その実現に向けてしか動かないと決めています。
――最後に、金谷さんの今後の野望について教えてください。
【金谷元気】私がこの人生でやることは決めていて、「人と人がリアルで会うことを残し続ける」ということです。Facebookの創業者マーク・ザッカーバーグと同い年なのですが、2021年に社名を「Meta(メタ)」に変えましたよね。メタバースの世界を現実と同じように作っていくと。またバーチャルの専門家は、バーチャルの時代になると人と人がリアルで会うことが減ると言っています。
【金谷元気】でも私は週末にサッカーを観にいく、ももクロのライブに行く、友だちや家族に会うといった、リアルで会うことに素晴らしさを感じているというか、やっぱり好きなんですよね。その世界を今後数千年において残していきたいなと思っているので、バーチャルに寄ると世の中どうなっちゃうんだろう?という思いがあるんですよ。
【金谷元気】もちろん、例えば病気で動けない人がバーチャルでリアルのように動けるといった素晴らしい面もあります。しかし、やはりリアルで会う喜びというのは必要なことだと思うので、本気でそこを残していくために頑張っていくというのが私の人生のミッションであり野望です。

この記事のひときわ
#やくにたつ
・自分の得意を知ることで、新たな可能性が見つかる
・日常生活のふとした困りごとからアイデアが生まれる
・過去の経験はすべて、いまに生かせる糧である
取材・文=山本晴菜、撮影=三佐和隆士
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