“肌にも地球にも優しい”日焼け止め、エトヴォスの「ミネラルUVシリーズ」がロングセラーとして支持され続ける理由

東京ウォーカー(全国版)

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ーー初代の「ミネラルUVパウダー」は、どういった思いから生まれた商品だったのでしょうか?
【栗原蒼】今でもそうですが、日焼け止めはリキッドタイプのものが主流で、当時はパウダー状の日焼け止めが、まだ珍しかったんです。尾川も「本当に未知数だった」と言っていたくらいですから。でも、リキッドタイプだとベタついてしまい外では塗り直しが困難ですし、肌に負担がかかるものもありました。そこで、そんなネガティブなイメージを払拭するため、ベタつかずに外でも塗り直しができるパウダータイプの「ミネラルUVパウダー」を2012年に発売しました。ただ、ミネラルのみを主原料としていたので「乾燥や白浮きする」というお声をいただき、パッケージもシンプルすぎて目にとまらず、思ったほど売れなかったんです。それで、年々アップデートを重ねて今にいたっています。

発売当初の「ミネラルUVパウダー」は、現在と違いミネラルのみのシンプルな処方だったため、売り上げは不調に終わったそう【撮影=藤巻祐介】

ーー商品化にあたって大変なところ、苦労された点があれば教えていただけますか?
【栗原蒼】まずはパウダーの使用感ですね。これは「ミネラルUVシリーズ」に限った話ではないのですが、例えば、「ミネラルUVパウダー」のSPF50 PA++++という高い数値を出すためには、酸化チタンや酸化亜鉛という紫外線散乱剤をたくさん入れる必要があります。先ほどもお話しましたが、これらは乾燥や白浮きをしやすいので扱いが難しい原料なんです。そこを補うために違う形状のミネラルを配合したり、保湿成分でコーティングすることで使用感を高めていったところは、特に苦労した点ですね。

ーー毎年のアップデートは、どのくらいの改良が加えられるのでしょうか?
【栗原蒼】年によってまちまちですね。2022年は、例えば、機能性ミネラルを増量して、より美肌感を演出しています。赤色光透過ミネラルという肌の凹凸や影をぼかす赤色光だけを通すミネラルと、透明感と毛穴やシミをカバーするソフトフォーカス効果を両立させたソフトフォーカスミネラルを配合して、シミやシワをぼかしてメイクアップ効果を高めました。さらに、ミネラルでできたパウダーをヒアルロン酸やアミノ酸などの保湿成分でコーティングすることで、保湿ケアにも対応させました。パウダーは乾燥しがちというイメージを覆す改良になっています。

赤色光透過ミネラルが光を通すイメージ図。赤色光が肌まで届き①、肌内部から放出される光によって透明感のある肌が演出される②【画像提供=株式会社エトヴォス】

ーー改良する部分はどうやって決めるのですか?
【栗原蒼】時代のニーズに合わせて、パウダーやミネラルを作るようにしています。例えば、最近のアイテムにはブルーライトカット効果があります。コロナ禍もあって、モニターを見る機会が年々増えていっていると思うんです。ブルーライトはシミやたるみの原因にもなるので、デジタル世代やスマホを見る時間が増えてきた消費者の方に合わせて改良しています。

ーー「肌に優しい」という部分においては、ユーザーから絶大な信用があると感じますが。
【栗原蒼】お客様からは、「このシリーズしか使えない」とか、「日焼け止めといったらこれ」というお声を日々いただいています。というのも、尾川自身がもともとアトピーを持っていて肌が敏感だったということもあり、同じ悩みを持たれている方に使っていただきたいというアイテムを出してきたので。そこは本当に共感いただいていると自負しています。尾川は「敏感肌でもあきらめたくないよね」という話をよくしていて、「ほかのものでメイクすると肌が荒れてしまう方でも、自分で選び取ったアイテムを使ってきれいになりたいよね」という思いを持っています。敏感肌向けのブランドではありますが、時代の流れやライフスタイルの意識の変化を加味した製品を考えています。常にトレンド感というところは意識をしていますね。

【写真】「お客様から、日々ありがたいお言葉をいただいています」と笑顔で語る栗原さん【撮影=藤巻祐介】


ーー確かに時代の流れは大切ですね。ブルーライトの肌への影響も、まさにそうですよね。
【栗原蒼】ユーザー様のリテラシーや美容に対する意識だったり知識も、SNSなどを通して高まっています。「おうちの中でも日焼け止めを塗らなきゃダメだよね」って、思っていただける方が増えた感じがします。

【栗原蒼】また、ベースメイクについてアンケートをとったところ、コロナ前(マスクを日常的につける前)とコロナ禍では意識が大きく変わったということが明らかになりました。以前は、肌のアラをカバーするという考え方が主流でしたが、コロナ禍においては肌に優しいものなどが選ばれているようです。より素肌感を重視する方向にシフトチェンジしていった感じですね。自然の肌を生かしながら、それをきれいに見せてくれる。そういったニーズもありますので、そこにもうまくマッチする商品を作っていきたいと思います。

ーーこれだけ紫外線が注目されているということは、UV系の市場全体の流れとしてもニーズが高まってきているのでしょうか?
【栗原蒼】そうですね。お客様にアンケートをとっても、やっぱり1年間UVケアをしたい方はたくさんいます。ただ、コロナ前と比較すると、ベースメイクを選ぶポイントは、乾燥のしにくさや、崩れにくさ、軽いつけ心地が注目されるようになり、より素肌感が重要視されています。また、ベースメイクを1日あたり10時間以上している人が圧倒的に多く、肌への負担を気にされている方が多いということも判明しています。この結果からも「ミネラルUVシリーズ」は、お客様のニーズに応えられているアイテムだと考えています。

化粧下地を選ぶ際に重要視することの調査結果。カバー力が大幅減で、より素肌感を求める結果になった【画像提供=株式会社エトヴォス】


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