“肌にも地球にも優しい”日焼け止め、エトヴォスの「ミネラルUVシリーズ」がロングセラーとして支持され続ける理由

地球にも優しいエトヴォスの取り組みに、共感するユーザーも商品を通して参加

ーー2023年度版の、特にここが進化したという点について教えてください。
【栗原蒼】まず、プレストタイプのパウダーの「ミネラルUVベール」ですが、肌をトーンアップしてくれる透明感のある色味に進化しました。去年のものよりも明るめになっています。この背景としては、やっぱりコロナ禍で美肌の需要が高まったからなんです。あと、韓国コスメの影響も大きいですね。そんな理由から、肌の透明感に対するニーズもアップし、日中のくすみや毛穴、色ムラをボカすようなカラー展開が求められているので、ワントーン明るいカラーにしました。エトヴォスの製品で、「薬用 ホワイトニングクリアセラム」というホワイトニングの美容液があるのですが、こちらもコロナ禍で売上が伸びました。

【栗原蒼】そして、「地球に優しい」というテーマにおいて、今年から「ミネラルUVパウダー」と「ミネラルUVベール」は化粧箱レスタイプも販売。パッケージデザインもウリにしているアイテムなので、当初はこの試みが受け入れられるかすごく不安でした。ところが、某百貨店様で先行販売したところ、化粧箱レスのほうが売れましたし、オンラインストアの会員様にアンケートをとったところ、値段は同じなのですが、8割の方から化粧箱レスの商品が支持を得ました。化粧箱レスの売り上げの一部は珊瑚の苗を育てる活動に寄付させていただき、海の豊かさを守る活動につなげています。

【栗原蒼】また、「ミネラルUVアクアセラム」には、保湿成分としてちょっと珍しい原料も使っているんです。水溶性プロテオグリカンというサケの頭の鼻軟骨部分から取れる成分で、通常だとサケの頭って捨てられちゃう部位ですよね。そういった部分もアップサイクル原料として取り入れています。

ーー化粧箱レス商品へのアンケート結果は少し驚きました。
【栗原蒼】化粧箱レスを支持された方の半数がそもそも化粧箱に必要性を感じていないようで、残り半数の方からは、ゴミの削減、森林資源や珊瑚の苗など、SDGsの活動にご理解をいただいているという回答をいただきました。

ーー自然から肌を守りつつ、自然も守っているんですね。
【栗原蒼】本当にそのとおりで、SDGsが世の中に浸透してきましたし、2020年からエトヴォスでも「エトヴォスと海を守ろう」というSNSキャンペーンを始めていて、フォロワーの皆様と一緒に海の豊かさを守る取り組みを行っています。去年はSNSの「いいね！」や「シェア」、投稿数に応じて、沖縄のサンゴの苗の保護活動をしている団体に寄付をしました。さらに、エトヴォスのスタッフが宮古島まで行って、コラボさせていただいた企業さんと宮古島の市役所の方、現地の住民の方と一緒に、ビーチクリーン活動も行いました。皆さんと一緒にできることを少しずつでも実践していくことを大切にしていますし、皆さんからも、我々のそういった側面にも興味を持っていただけているのかなと感じます。

ーーユーザーとテーマを共感し、商品を通して一緒に活動できるのは尊いですね。
【栗原蒼】大切なことですよね。逆にそうやっていかないと、支持されるブランドではなくなる、そういう時代なのかなとも思います。他社様にもいい商品がいっぱいあるので、そのなかでより共感していただけるようなシリーズにしたいという思いも込めて、2023年のシリーズを発表させていただきました。

ーー2023年シリーズは、限定パッケージのイラストレーターに松尾たいこさんを起用されました。
【栗原蒼】毎年楽しみされているお客様も多いので、パッケージデザインは本当に毎回悩むんですよ。このシリーズ自体が初めてというお客様も多かったりするので、エトヴォスと新しいお客様との接点となるシリーズでもあるんです。だから「なるべく手に取っていただきたいな」という思いは常にあります。そんな背景もあるなか、2023年のシリーズの顔として、松尾たいこさんのイラストを採用させていただきました。松尾さんは、普段から光だったり風だったり、形がないものをきれいに美しく描かれている方で、その作品の世界観が、この「ミネラルUVシリーズ」のコンセプトである「光と遊ぶ」というイメージにもぴったりだったというのが、コラボレーションさせていただいた一番の理由です。

ーーすごく爽やかな雰囲気のデザインですよね。
【栗原蒼】実は、「ミネラルUVパウダー」のパッケージデザインは一対になっていて、2つ並べると1つの絵が完成するんです。実はこれ、両方使っていただいている方も多くて、肌の透明感を出したい日はペールラベンダー、ふわっと肌になじんだ血色感を演出したい日はピンクベージュと使い分けもできるんですよ。詰め替え用も販売しているので、過去の容器を再利用して楽しめます。