寿司桶の見栄えをAIが採点!宅配寿司にAI技術をいち早く採用した『銀のさら』、AI採点アプリ『mibae』の導入理由と宅配システムのデジタル化構想

東京ウォーカー(全国版)

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AIが自動で寿司の“見栄え”を採点してくれるアプリ『mibae』を開発し、店舗での教育に導入した宅配寿司『銀のさら』。端末のカメラで撮影し、AIが寿司桶の盛り付けを採点。寿司桶の見栄えをAIによって基準化することで、全国統一した美しい盛り付けの寿司桶を届けることに成功したという。今回は、宅配寿司『銀のさら』を運営する株式会社ライドオンエクスプレスの広報・小坂景さんに、『mibae』の特徴や開発秘話、今後のAIの可能性などについて話を伺った。

株式会社ライドオンエクスプレスのデジタルマーケティング部で広報・PR・SNS担当を務める小坂景さん【撮影=樋口涼】

盛り付けた寿司の見栄えが自動採点できるAIアプリ『mibae』を開発・導入した宅配寿司『銀のさら』。その特徴と開発秘話

ーーまず、貴社がどういった会社なのか教えてください。
【小坂景】弊社は、宅配専門のチェーン店を運営している会社です。主なブランドとして、宅配寿司の『銀のさら』をメイン事業に、宅配御膳『釜寅』と銀のさらの姉妹ブランド『すし上等!』を展開しています。さらに、新事業として、8ブランドの専門店のこだわりの味をお届するデリバリーとテイクアウトのお店『DEKITATE』と、宅配の代行事業『ファインダイン』も手掛けています。

ーー寿司の盛り付けを採点するアプリ『mibae』を開発して活用されているそうですが、どういったアプリなのか詳しく教えてください。
【小坂景】『銀のさら』では、寿司桶に寿司を盛り付けて商品提供させていただいています。『mibae』は、その寿司を盛り付けた寿司桶の見栄えを、AIによって自動で採点してくれる社内専用アプリです。

社内の教育ツールとして開発された『mibae』は、桶に並べた寿司をAIが採点

ーーどのくらい前から構想されていたのでしょうか?
【小坂景】4年ぐらい前から構想していたのですが、コロナの影響もあり頓挫しかけたこともありました。本格的に着手し出したのは、約2年前からですね。例えば、同じイカでも白熱灯の下で見ると赤みがかって見えますが、蛍光灯の下で見ると白く見えますよね。同じネタでも環境やカメラの性能によって、状態が全然違って見えるんです。そこで、あらゆる環境でもAIがネタの識別をできるように、日々精度を高めている最中なんです。一つひとつのネタ分析に、多く時間をかけたそうです。寿司ネタがヨレているとか、何かが隠れてしまっているとか、桶の黒い部分が見えてしまっているなど。バランスよく盛り付けられるように、ひとつのネタに対して1000枚以上の写真を分析して、それぞれのネタを正確に識別できるようになりました。

『mibae』は、ひとつのネタに対して1000枚以上の写真を分析させ、日々アップデートしているそう【撮影=樋口涼】

ーーどうやって、『mibae』にインプットしているのですか?
【小坂景】分析にあたって、まず、教育担当者から見て100点の寿司桶を作って、そのあとに80点の寿司桶を作るんです。そして50点、30点、20点と、寿司桶のクオリティを下げていって、何がよくないのかっていうのを『mibae』に学ばせています。

ーーさまざまな差異があるんですね。
【小坂景】はい。それにしても「20点の桶」って私も見たことがないので、どうやって作ったのか気になります(笑)。

ーー社内にAIのチームがあるのですか?
【小坂景】各店舗に配属されている店長さんやアルバイトさんに、商品や宅配の教育をする専門チームがあるんです。この『mibae』に関してまず話を上げたのは、その教育チームなんです。そして、情報システム部というシステムの部署があるので、2つの部署がタッグを組んで開発しました。アルバイトさんでも使えて、楽しんでもらえるような教育システムになればという思いも込められているんです。

【小坂景】当時はAIが注目されてきた時期でもあり、ベーカリーでAIを活用したニュースを担当者が見たらしいんですね。トレーの上の複数のパンをAIが認識して金額を出すという仕組みから、「寿司を認識できたら採点に使えるのでは?」という発想が浮かんだと聞いています。

ーーもともとのニーズは教育現場からの声だったんですね。確かに理にかなっていますね。
【小坂景】そうですね。配達時間や作るスピードは数値化できるのですが、寿司が到着したときに「綺麗だな」と思う見栄えの部分は、これまで数値化できませんでした。教育チームのなかでも、人によって重視するポイントが違ったらしいんです。例えば、Aさんはネタのそろい方を気にするけれど、Bさんはネタそのものが「シュッとしている」かに重きをおいているとか。そもそも、「シュッとしている」って、感覚的で難しいですよね(苦笑)。

【小坂景】これまでは感覚的なところに頼る割合が大きかったのですが、「ネタがそろっているか」「ネタからシャリがはみ出してないか」などポイントを絞り、誰が見ても「綺麗」と思える寿司を『mibae』に学習させました。そして今、『銀のさら』の全国基準を作り、見栄えを統一させるという狙いで進めています。

導入前の課題について「人によって美しさの基準がまばらだったこと」と教えてくれた小坂さん【撮影=樋口涼】


ーー『相模』が採点の対象になっているそうですが、今後、ほかの商品も対応する予定はありますか?
【小坂景】なぜ、『相模』だけが『mibae』の採点に対応しているのかというと、その理由は、メニューごとに寿司の配置の仕方が違うからなんです。『相模』は流し盛りと呼んでいて、全部流れるようにそろえて配置をしています。だから、AIで判別しやすいんですね。一方で『雅』は放射盛りと呼んでいて、お寿司が広がっていくような形で並べています。さらに、『扇』は半放射盛りといって上半分が放射盛りで、下が流し盛りになっているんです。

【小坂景】こうしたさまざまな盛り付けに関しては、まだまだAIで採点するのが難しいんです。『mibae』は今、流し盛りの3人前から5人前まで採点できるので、例えば1〜2人前にも対応するとか、『相模』と同様の流し盛りで配置しているメニューに対応させていく形になると思います。

鮭イクラ・マグロなど11種類の寿司が盛られた、人気の『相模』(9504円/5人前50貫)※店舗・エリアにより商品内容・価格が異なります


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