日常に潜むちょっとした不快を解決してくれる“調味料専用”の乾燥剤カタマラーーンって何?
東京ウォーカー(全国版)
カタマラーーンを売るうえでの意外な苦労
発売後の反響は大きく、試験的に販売した際にとったアンケートでは「今まで使った乾燥剤のなかで一番効果を感じた」や「金額も気にならない」という好意的な意見が多く集まったそう。普段ならば「仕方ない」とあきらめていた調味料の湿気対策として、順風満帆な滑り出しを見せたカタマラーーンであったが、意外な苦労もあったのだそう。
「調味料に乾燥剤を使うという発想がまだまだ一般的ではないんですね。知っている人は知っているけど…という状態で。だから、潜在ニーズをどれだけ顕在化させられるかというところが課題です。PRも行っていますが、なんせ検索しないと出てこないし、調べ方も多岐に渡るんですね。『調味料 固まる どうする』と検索しても生活の知恵のような内容がヒットしやすくて、引っかかりにくいみたいです。困っている人に届くようにまだまだ工夫が必要だなと感じています」

これまでの企業向けの宣伝方法と異なるやり方が求められることにはとても苦労しているようだ。医薬品などでは当たり前に乾燥剤が用いられる一方で、調味料に乾燥剤を使うという考えがない人は多いのではないだろうか。
また、乾燥剤を使おうとしてネットで検索をすると100個入りなどの大容量で販売される業務用と思われるようなものばかりがヒットしてしまうことも。こうした中でより検索に引っかかりやすいようにPRの方法を模索しているのだそう。
「あとは大きさにも工夫しています。袋タイプの乾燥剤だと調味料が出てくる口を塞いでしまって中身が出てこないことがあるから、サイズもいくつか種類を出して個々に対応できるようにしています。それに一般消費者で100個も乾燥剤は使いきれないじゃないですか。使いきれる量を、適切なサイズで提供する。こういう工夫はこれまでにはあまりしてこなかったことではあるんですが、企業向けに商品開発してきたノウハウがあったからできたことでもあると思います」


現在では少しずつ認知度を上げており、使ってみた人たちの間でも口コミで広がりを見せつつあるようだ。
まだまだある!シリカゲル乾燥剤の可能性
山仁薬品のシリカゲル乾燥剤であるドライヤーン、そして医薬品向け商品の技術を用いて開発されたカタマラーーンは、今後も世の中にある湿気による不快感を取り除くべく、販路拡大や新たな商品開発を目指すとのこと。
特に、ドライヤーンは乾燥剤の代名詞となるくらいの知名度を目指したいと関谷さんは語る。湿気ひとつとっても、気候によって発生する湿気、体温の上昇による汗から起こる湿気など多岐に渡る。こうしたそれぞれが抱える悩みやコンプレックスを解決できるような商品を生み出していきたいのだそう。
「これから梅雨の時期で、夏場には汗が気になってきます。冬には外気温との差で窓が結露することだってあります。湿気に対して私たちは常に潜在的に悩みを抱えていると思うんです。そうした悩みを顕在化させ、『解決策がある』ということを知ってもらえるように活動していきたいと思います」

さらに、水分を吸収するというシリカゲルの可能性は食品を対象とした商品への展開の可能性もあるとのことで、現在研究や試験を重ねているのだそう。フードロスを減らすことができる可能性もあるとのことで今後の展開も非常に楽しみだ。
文・取材=織田繭(にげば企画)
この記事の画像一覧(全9枚)
キーワード
テーマWalker
テーマ別特集をチェック
季節特集
季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介
おでかけ特集
今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け
キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介