「自分は献血できない」と思ってない?献血者の細かい条件やその実態を大阪府赤十字血液センターに聞いてみた

東京ウォーカー(全国版)

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把握しておきたい“献血できない人”の特徴。大切なのは「献血者が健康であること」

――ここからは、最も気になる“献血できる人・できない人”について伺います。私を含め、「自分は献血できない」と思い込んでいる人もたくさんいると思うので、不安や疑問を解消できればと思います。

――まず、毎日継続して何かしらの薬を服用している場合は献血できないのでしょうか?また、風邪薬や鎮痛薬、胃薬といった“普段は服用しないもの”を献血当日に飲んでいる場合も、NGなのでしょうか?

【血液センター】「服薬していたら献血はできない」と思っている方もいらっしゃいますが、薬の種類や服薬の目的となっている病気によって、ご協力いただける場合とご協力いただけない場合があります。最終的な献血の可否につきましては、服薬状況やその使用理由とあわせて、献血会場の健診医が問診時に聞き取りを行い、総合的に判断します。

【血液センター】風邪薬や解熱鎮痛薬(※)については、当日に症状がなければ、前日に服用していても献血していただけます。胃薬は当日に服用していても献血可能ですが、感染性胃腸炎や消化性潰瘍の場合はご協力いただけません。
※「血小板成分献血」の場合は最終服用日を含む3日間は献血不可。また、毎日内服するよう指示されている薬を服用している場合は、献血の種類にかかわらず、最終服用日を含む3日間は献血不可。

――私の周りには、「ピルを飲んでいるから献血できないと思う」と言っている人が多いのですが、低用量ピルやホルモン注射などを使用している人は献血できないのでしょうか?

【血液センター】月経困難症やホットフラッシュといった更年期症状の緩和、避妊目的の低・中用量女性ホルモン剤の内用および外用につきましては、薬の副作用がなければ、当日の服薬でも献血にご協力いただくことができます。同じ目的でも、女性ホルモン剤の“注射”につきましては、注射針を使用するという身体への負担を考慮し、服薬最終日の翌日以降より献血が可能です。

――女性の場合、生理中は献血できないのでしょうか。また、控えておいたほうがよい場合…たとえば「出血量の多い1~2日目はあまりよくない」など、程度はありますか?

【血液センター】基本的に、献血の可否は当日の体調や、血色素量などの献血基準を満たしているかの採血前検査の結果をもとに判断されます。生理中でも、体調に問題がなければ献血は可能です。少しでも不安や不明な点がある場合は、血液センターのスタッフにご相談ください。

――「体重50キロ以上であれば400ミリリットル献血ができる」と聞いたことがあります。これはどんな身長の人でも同じなのでしょうか?また、逆に「〇キロ以上の人はNG」といったルールはありますか?

【血液センター】「400ミリリットル献血」の採血基準は「男性17歳以上」「女性18歳以上」「男女ともに体重50キロ以上」なので、身長は関係ありません。また、体重の上限についても定めはありません。人間の総血液量(循環血液量)は体重に比例します。献血は血液法(安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律)で定められた基準に基づき、安全な血液量で採血を行っていますのでご安心ください。

――公式サイトに、“6カ月以内に刺青を入れた人は献血できない”とありますが、半年以上経っていれば部位や大きさは特に関係なく献血できるのでしょうか?たとえば、粘膜部分に入っているとワンポイントでもNG、など。

【血液センター】刺青(タトゥー)やアートメイクにつきましては、いただいた献血血液への影響を考慮し、施術後6カ月間が経てば、献血にご協力いただくことができます。施術の部位やサイズは特に注視していませんが、炎症が起きていないかなど、施術部位の状態が安定していることを前提にしています。

【血液センター】また、ピアスについては、舌や鼻といった粘膜部分に貫通している場合、献血をご遠慮いただいています。

――これは気になっている人も多いと思うのですが、最近流行している「プラセンタ」や「エクソソーム」といった美容医療の注射を受けた人は献血できないのでしょうか?

【血液センター】美容目的で「ヒト由来プラセンタ製剤」の注射を受けられた場合には、厚生労働省の指示により、本剤の安全性が確認されるまでは献血をご遠慮いただいています。

――“注射が怖い人”は基本的に献血が難しいと思うのですが、それでも勇気を出して献血をしに来た人に、何か特殊な対応をされることはありますか?

【血液センター】針を刺されることが怖い方には、看護師が丁寧に説明し、会話をして少しでも緊張が和らぐよう対応しています。また、採血ベッドの背もたれを倒して横になっていただくという姿勢の工夫や、針を刺すところを見ないようお声がけをすること、タオルなどをかけて針を刺しているところが見えないようにするなどの対応も行っています。

――なかには事前検査で引っかかり、「一度献血を断られたから自分は二度と献血できない」と思っている人がいると思います。そういった人へのメッセージはありますか?

【血液センター】血液検査(献血基準)の項目にもよりますが、特に献血ができない理由に多い「血色素量」などは、体調や生活習慣、その他諸々の条件により日々変化しています。一度できなかったからといって、二度とできないとは限りません。体調のよいときに再度挑戦していただければ幸いです。

――献血の前に確認しておくべきことがあれば教えてください。

【血液センター】公式サイトでもお知らせしていますが、あらためて皆さまに知っておいていただきたいことがあります。献血の前夜に十分な睡眠をとられていない方、空腹の方は、体調を考慮し、献血をご遠慮いただくことがあります。一人でも多くの方に安全に献血していただくためにも、前日はしっかりと睡眠をとり、当日は食事を済ませ、体調がよい状態でご協力いただけますようお願いいたします。

――とにかく献血者が健康体であることが大切なんですね。私たち献血者の健康が、血液製剤を必要とする患者さんの安心につながるのだとわかりました。

【血液センター】その通りです。献血者の健康と安全を守ることも大切なんです。私たちは「患者さんがこれからも安心して治療を続けられるように」という想いを胸に、日々献血の普及・啓発に尽力しています。

【血液センター】先日、風が強くとても寒い日に、街頭の献血会場で「献血にご協力を」と書かれたプラカードを掲げ、道行く方々に献血への参加を呼びかけていました。寒さにより足早に行き交う人々の中、通り過ぎた一人の女子高校生がふと立ち止まってからこちらを振り返り、勇気を振り絞るように「私、輸血を受けたことがあるんです。頑張ってください」と、使い捨てカイロを私に手渡してくださいました。

【血液センター】その方は、幼少期に病気で輸血治療を受けたこと、現在は回復し、その日は通学する高校の部活動からの帰り道であることなど、少しお話もしてくださいました。偶然にも輸血治療により元気になった彼女に出会えたこと、そして献血に心を寄せて行動してくださったことに、うれしさと温かい気持ちでいっぱいになりました。

【血液センター】輸血用血液製剤は、病気の治療や手術、出産、事故による出血など、必要な患者さんのもとに届けられています。現在、大阪府内においては、一日平均「400ミリリットル献血」で約730人のご協力が必要です。しかし、酷暑や厳寒の季節、年末年始や年度変わりの多忙期、感染症の流行など、ご協力を得られにくい時期もあります。

【血液センター】また、継続的に献血にご協力いただいている方がいる一方で、10~30代の方の献血者数は減少傾向となっています。「献血の知識がない」「無関心である」「注射が怖い」「なんとなく不安」など、ネガティブなイメージがついていることが、特に若い方からの新たな献血協力が少ない理由の一つです。

【血液センター】「血液」は、科学技術が進歩した今日でも人工的につくることができず、長期保存もできません。さらに献血者の健康を守るため、一人の方が一年間に献血できる回数や量には上限があります。そのため、安定的に血液製剤をお届けするためには、一年を通じて多くの方に継続してご協力いただく必要があります。

【血液センター】献血に少しでも興味をお持ちの方は、街で献血ルームや献血バスを見かけたら、そして献血会場を見かけたら、その先にいる誰かを想って、勇気を出して行動してみてください。皆さまの献血は、誰かにつながっています。

――すてきな体験談や想いのこもったメッセージをありがとうございます。これから献血する血液やこの記事で回答していただいた内容が誰かの役に立てば、私もすごくうれしいです。

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