車いすテニス・齋田悟司選手インタビュー【パラアスリートの過去、現在、未来 Vol.4】

東京ウォーカー(全国版)

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車いすの進化で変わる競技


【写真を見る】車いすの進化で戦術も大きな変化を遂げた(提供:シグマクシス)


――齋田選手が考える車いすテニスの特徴はどんなところでしょうか。

「車いすテニスではプレイヤーの能力も重要ですが、車いすそのものの進化もひとつの大きなポイントだと思います。車いすが進化することによってスピードという点はかなり上がりました。車いすテニスは2バウンドまで許されるスポーツですが、今まで2バウンドで打っていたようなボールもワンバウンドで打てるようになる。すると相手から時間を奪えるので、攻撃でプレッシャーをかけていくことができるようになります。

以前は後ろに下がってストロークが中心のテニスだったのが、今ではワンバウンドで打ってボレーやスマッシュを決めたりと、攻撃的な部分を重視しないと勝てないテニスになってきました。いかにそうした攻撃をするかという戦術部分も大きく変わってきたのかなと思っています」

――車いすがプレーに与える影響はやはり大きいのですね。

「一般的なテニスでもラケットの進化によってテニススタイルも変わっていくと思うのですが、車いすテニスの場合はそれに加えて車いすの材質や重さ、高さや大きさも変わっていきます。一昔前は低い球を打つためにすごく座高の低い車いすに乗ってプレーしていたのですが、近年ではサーブやストロークで良い球が打てるということから座高が高くなる車いすが主流になってきました。最適解はまだ分からないので、これからも車いすの進化とともにプレーは変わっていくでしょうし、それに伴って車いすテニスの技術そのものもどんどん向上していくのではないかと思います」

――車いすテニスが変化していく中で、自身のプレーはどう変わっていきましたか。

「競技の高速化に対応するために、いかに自分の打ちやすいポジションに入っていけるよう準備するかという点を意識するようになりましたね。ボールへの対応はたった一呼吸、コンマ何秒の差が勝敗を分けますし、逆にそれは相手の時間を奪えば勝てるということでもあります。

さらに言えば、時間のない中での打ちやすい方向、打ちにくい方向というのがあるので、相手の打球への読みを研ぎ澄ますという部分も意識するようになりました」

――常に対応し続ける姿勢が長年の活躍に繋がっているのですね。

「プレイヤーとして長年やっていると、車いすテニスはこういうものだという固定概念が生まれてくるものですが、若い世代の選手は自分の想像を超えたことをしてくるということがあります。そういったものを目の当たりにした時に、それを自分にも取り入れようとする気持ちと努力がやはり必要なのかなと思っています。

一方でプレーを見る側としては、今までになかったプレーで競技のレベルが上がり、より楽しませてくれるというのは車いすテニスの発展という意味合いですごく大事な部分であると思うので、そういった変化はすごくいいことだなと思います」

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