水族館プロデューサーに聞く、消える水族館と伸びる水族館を分けるもの

東京ウォーカー(全国版)

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東京タワー水族館(東京都港区)が2018年9月末で閉館し、40年の歴史に幕を下ろした。2018年1月に閉館した犬吠埼マリンパーク(千葉県銚子市)も、展示生物が取り残されているとして話題を呼んでいる。歴史ある水族館が相次いで閉館する一方で、サンシャイン水族館(東京都豊島区)のようにリニューアルで大きく客足を伸ばす水族館もある。

水族館を取り巻く現況や、明暗を分けるポイントはどこにあるのだろうか。サンシャイン水族館をはじめ、新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)や北の大地の水族館(北海道北見市)など数々の水族館のリニューアルに携わる水族館プロデューサーの中村元氏に話を聞いた。

水族館プロデューサーの中村元氏と、サンシャイン水族館の「天空のペンギン」展示


「大人」が支える水族館人気


――東京タワー水族館の閉館発表は大きな話題となりました。まず、水族館を取り巻く現状はどうなっているのでしょうか。

「水族館全体で見れば人気はずっと続いていると思います。すべての水族館を合わせた総入館者数はここ数年右肩上がりで動物園をしのぐほどの人気ですし、水族館の新オープンやリニューアルも頻繁にされています。動物園でも、円山動物園や旭山動物園といった来場者が増えている園は、水中トンネルなど水族館の展示手法を積極的に取り入れています」

――いま水族館が人気施設となっている理由はどこにあるのでしょうか。

「端的に言えば、水族館は大人が行く場所で、動物園は子どもが行くところだからです。本来、動物園にはゾウやキリン、ライオンといった子どもでも知っている動物がたくさんいるので、訴求力では水族館の生き物より動物のほうがはるかに強いんです。

一方、少子化で子どもの数がどんどん減っているので、相対的に大人の需要が大きくなっていますし、その大人が行きたくなるところとして水族館が選ばれていると考えています」

――単身者も増えていますし、子ども連れであっても行き先を選ぶのは親だから、大人への訴求力が求められるわけですね。

「逆に言えば、水族館であっても大人が行きたいと思わない施設は客足が遠のく傾向にあると言えます。サンシャイン水族館(東京都・豊島区)も子ども向きの水族館だったので、2011年のリニューアルまでは来場者は伸び悩んでいました」

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