大正池

立ち枯れの木が散見される澄みきった水面に、穂高連峰の雄大な姿が鏡のように映し出される大正池。河童橋から1時間ほど歩いた場所にあるこの池は、1915(大正4)年に起きた焼岳の噴火の際に泥流によって梓川がせき止められて形作られた上高地最大の池だ。時間に応じた景観の変化も魅力のひとつで、朝夕の気温変化の影響で湖面にもやが発生した際は、立ち枯れの木をもやが包み込み、幽玄さを感じさせる光景が楽しめる。池ができた当初は現在の2倍以上の湖面積を持っていたが、上流から流入する土砂によって年々縮小が続いている。