公認会計士くろいが“楽天グループ”のカードやモバイルの仕組みに迫り、事業や決算を解明

2022年5月25日 13:00更新

東京ウォーカー(全国版)

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ニコニコチャンネル「公認会計士くろい 楽しく学ぶ最強の会計講座」第7回も好評。

公認会計士でYouTuberのくろい氏が会計についてわかりやすく解説し、実践的な会計の知識を伝授する ニコニコチャンネル「公認会計士くろい 楽しく学ぶ最強の会計講座」 。第7回目は楽天グループ株式会社2021年12月通期について、前半では「楽天カードの変更点」や「決算サマリー」を、後半では「楽天カード成長率」「モバイル事業詳細」「楽天カード変更の狙い」について講義した。

楽天グループ株式会社の決算について解説

「楽天はいろいろな事業をしているから難しい、この資料は1日かけて作りました」とくろい氏。まずは「楽天は楽天市場や楽天トラベルなどのインターネットサービス、楽天銀行や楽天カード、楽天証券などのフィンテック事業、楽天モバイルのモバイル事業と3つの事業で成り立っています」と事業内容を説明。その上ではじめは昨今話題に上がっている楽天カードの変更について解説。

「2021年4月からゴールドカードのサービスが変更になりました。これまでは楽天市場で使用すると金額の5%のポイントが付与されましたが、4月1日からは3%に下がりました。また今までは楽天市場で4万4000円買えば年会費2200円の元は取れましたが、改定後は年間で7万3333円買わないと元が取れなくなったのです。しかもこれまでは税込価格にポイントがつきましたが、これが税抜価格になったので0.1%の改悪です。公共料金についても、これまでは100円につき1ポイントついていたのが、500円につき1ポイントになりました。楽天カードをメインにして支払うとあまりメリットがないかもしれません」と率直な感想を述べた。

楽天カードの変更について3つのポイントで説明

次に、楽天グループの決算サマリーについて紐解いた。「2021年度の売上は1兆6817億円で、前期に比べて15.5%伸びていますが、営業利益は-1947億円で最終純利益は-1358億円。過去最大の赤字という説もあります。営業利益の内訳を見るとインターネットサービスは1075億円で黒字、フィンテック事業は891億円の黒字。対してモバイル事業は4211億円の赤字で、これが足を引っ張っている原因です」と解説。「楽天モバイルのサービス開始は2020年4月。契約者は2020年12月からの1年間で100万人増えています。1年間無料の駆け込み需要が増えたのですね。しかし他のキャリアに比べたらまだまだ少ないです」とくろい氏は説明。また楽天グループの3カ月ごとの財務推移のグラフを提示し、モバイルサービス開始前とサービス開始後の営業利益を比較。

「サービス開始前の準備期間は赤字になっているので、相当設備投資をしたということがわかります」とくろい氏。「2019年の有価証券報告書を見ると、楽天モバイルはネットワーク設備投資に8000億円投資するということが書かれています。またMD&Aで資金調達について見てみると、2026年までに最大8000億円程度の設備投資を行い、最大8400億円までは社債や増資で増加する見通しとあります。しかしグループ全体の社債は3兆円あり、その中の8000億円だから大したことないですね。社債が3兆円もあってこの会社大丈夫?といいたくなりますが、総資産が16兆円、そのうち現預金が4兆円もありますから普通に返済できます」と説明。

「設備投資で基地局も順調に増え、また無料キャンペーンが終了することで収益も上がり、2022年3月をピークに赤字は減少する見通しと予想されています。フィンテック事業は頭打ちなので、次の柱としてモバイル事業を考え、力を入れているようです」と話した。

楽天グループ全体の財務推移を見ながら設備投資の赤字について講義

くろい氏は楽天の経済圏についても講義。「もともと楽天カードは最初に還元率5%とサービスをしすぎた。そこで還元率を3%に引き下げましたが、楽天モバイル会員は楽天市場で買い物をすると還元率4%になります。つまり楽天モバイルを契約するとその料金は楽天カードで支払い、また楽天モバイル会員が楽天市場で買い物をするとユーザーは還元率が高くなり、楽天も儲かる、という楽天の経済圏を作ろうとしているというのが私見です」と説いた。最後にくろい氏は「楽天以外でも、カードは後から改悪されることがあるので、日頃からポイントはしっかり見ておきましょう、というのが今日の教訓です」とこの日の講座を締めくくった。
※なお、2022年5月13日の発表により楽天モバイルは2022年7月より従来1GBまで月額0円のところ、月額1078円となります。

楽天が儲かる「楽天の経済圏」の図

公認会計士くろい:2020年1月より公認会計士YouTuberくろいとしてデビューし、2022年5月時点で登録者2.3万人という公認会計士YouTuber界ではトップクラスのチャンネルを運営

なお、 チャンネル は月額550円で、月2回の生配信を行う予定。チャンネル会員になると、会員限定パートを含む生放送全編を見ることができる。

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文=小山芳恵

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