コーヒーで旅する日本/九州編|スペシャルティコーヒーを黎明期から。筑豊のコーヒーの顔、「このみ珈琲」

九州ウォーカー

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地域に根ざす理想的なコーヒー豆屋

最も浅めの焙煎が中煎り程度

そうやって少しずつ新たなファンを獲得してきた「このみ珈琲」。現在、店頭で販売している豆はブレンド7種、シングルオリジン14種とラインナップは多彩。コスタリカやグアテマラ、コロンビア、ブラジル、エチオピア、ケニアなど産地はさまざまで、焙煎度合いは中煎り〜深煎り。メインは中深煎りだ。許斐さん自身、酸味と苦味のバランスに秀でた味わいが好きなことが中深煎りが多い大きな理由だが、実際、常連のほとんどが、そのあたりの焙煎度合いを好んで買い求めるのだそう。

使用している焙煎機はフジローヤルの直火式。「直火式は中深煎り〜深煎りに向いていますが、できるだけ生豆が本来持っている特徴を残しつつ、すっきりとクリーンな味わいを引き出すような焙煎を心がけています」と許斐さん。その言葉通り、いただいた中深煎りのコスタリカは一口目は直火式らしいボディ感を感じられるが、フレーバーもしっかり主張してくる。さらに余韻に酸味由来の甘味を感じ、すっと消える後味も心地よい。

日替わりでケーキ(320円〜)を用意。写真はチーズケーキ(450円)

店は豆売りがメインだが、カフェ利用もOK。取材時も地元の常連と思われる人々でカフェは賑わい、地域に根ざした店という印象を強く受けた。この町の暮らしの一部になっているのだろう。客層も20代からご年配の方までと幅広いのがローカルのコーヒーショップらしくて良い。

4〜9月は水出しコーヒーも人気

全国的に問題になっている商店街のシャッター街化。「このみ珈琲」が店を構える殿町商店街も例外ではない。人通りが決して多くない商店街で日常的に地元民が集う場所、そして今では福岡市内、北九州市内など遠方からコーヒーを求めて来店するケースも多い。「このみ珈琲」が筑豊という地域に20数年前に撒いたスペシャルティコーヒーの種は、芽を出し、花が咲き、そして着実に実っている。

許斐さんレコメンドのコーヒーショップは「MY珈琲」

「長崎県佐世保市にある『MY珈琲』の店主・山口さんは買い付けグループの仲間の1人。マスターの山口さんは、とにかくおしゃれでおおらかな方です。そんなマスターがいる『MY珈琲』はコーヒーのおいしさと、マスターの人柄が相まって地元で長く愛されています」(許斐さん)

【このみ珈琲のコーヒーデータ】
●焙煎機/フジローヤル直火式3キロ
●抽出/ハンドドリップ(KONO名門フィルター)
●焙煎度合い/中煎り〜深煎り
●テイクアウト/あり
●豆の販売/100グラム756円〜


取材・文=諫山力(knot)
撮影=大野博之(FAKE.)

※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

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