コーヒーで旅する日本/九州編|店には広がりを求めず、自身の世界観は深く。「マルハチ珈琲焙煎舎」がまとう心地よさのワケ

九州ウォーカー

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全国的に盛り上がりを見せるコーヒーシーン。飲食店という枠を超え、さまざまなライフスタイルやカルチャーと溶け合っている。なかでも九州はトップクラスのロースターやバリスタが存在し、コーヒーカルチャーの進化が顕著だ。そんな九州で注目のショップを紹介する当連載。店主や店長たちが気になる店へと数珠つなぎで回を重ねていく。

カフェスペースでひときわ目を引く焙煎機

九州編の第62回は、福岡県北九州市にある「マルハチ珈琲焙煎舎」。もともと産婦人科医院だった築70年の建物の一室に店を構えるコーヒーショップで、ノスタルジックで温かみのある空間が地元で人気を得ている。もともと大学卒業後は一般企業に勤め、飲食経験はほぼゼロだったという店主の八児美也子さんは、なぜコーヒーを生涯の仕事にしようと考えたのか。シンプルに“好き”という理由だけでコーヒーの道を歩き始め、それを自分なりのカタチにした「マルハチ珈琲焙煎舎」。コーヒーショップを開くのは夢じゃない。そう思わせてくれる物語がここにはあった。

店主の八児美也子さん

Profile|八児美也子(やちご・みやこ)
福岡県大野城市生まれ。北九州市立大学を卒業後、そのまま北九州市で就職。約8年働いた後、人事異動で東京に転勤。東京で仕事を始め、さまざまな出来事の重なりから会社に勤め続けることに疑問を抱き、退職を決意。当時から好きだったコーヒーやカフェの勉強を始め、自身のコーヒーショップを開業することを目標に約2年間、抽出や焙煎の知識・技術を磨く。2017(平成29)年4月に北九州市にUターンし、同年11月、「マルハチ珈琲焙煎舎」をオープン。

始まりは自分が本当にしたいこと探し

九州工業大学正門前に位置するcobaco tobata

雑貨店や生花店、子供のメガネ専門店など複数のショップが入るcobaco tobata。もともと産婦人科医院として使われていた築70年の建物で、玄関を開ける前から窓越しに焙煎機が見えた。地域再生というテーマを掲げたcobaco tobataにおいて、「マルハチ珈琲焙煎舎」は“間口”や“縁側”のような存在なのだろう。建物に入る前から見える焙煎機、カフェスペースが、中を覗いてみたいと思わせるきっかけになっていると感じた。

コーヒー豆はブレンドを含め全5種を用意。八児さんは「ブレンドがあることでコーヒーのハードルは下がる」と話す

「マルハチ珈琲焙煎舎」のオープンは2017(平成29)年11月。会社員を続けることに疑問を感じ、もともと好きだったコーヒーやカフェのことを勉強しようと、カフェ自由大学の講義などを受講したのがコーヒーの世界への入口になった。なによりコーヒーのことを学び始めて焙煎から着手することで自分で味わいをデザインできるという点に強く惹かれたという。

産婦人科医院の時代は診察室だったという店内

「純粋に“好き”という興味だけでカフェやコーヒーのことを学んでみたかったのが始まりです。カフェ自由大学の講師の方々はコーヒーショップのオーナーさんなどが多く、講義を通して業界の方々と面識ができました。そうすると今度は講師の方の店に行ってみようってなって、そこでコーヒーを飲んで、話を聞いてという日々を過ごす中で、自然とコーヒーへの興味は深まっていきました」と八児さん。

生豆は生産者と直接取引できるオンラインプラットフォーム・TYPICAをはじめ複数の商社から買い付け

そうやって八児さんは退職後の“自分がしたいこと=コーヒー”という答えを見つけた。もしコーヒーやカフェではない違う“好き”を選んでいたら、「マルハチ珈琲焙煎舎」は生まれなかったかもしれない。そう考えると縁やタイミングといったさまざまな偶然の重なりというのはとても大切だと感じる。

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