コーヒーで旅する日本/九州編|渡り鳥のように北欧から日本へ。「FUGLEN FUKUOKA」がコーヒーの街、福岡にもたらすもの
九州ウォーカー
楽しみ方、過ごし方は自由でいい

「FUGLEN FUKUOKA」のメニューは東京の店舗とほぼ同じ。メニュー表はシンプルで、強くコーヒーを推しているという感じではない。鮫島さんは「もちろんコーヒーを主体としたカフェバーではありますが、ブラックティー(500円)、緑茶 玉露かりがね(500円)、ホットチョコレート(600円)などコーヒー以外のドリンクも並列という考え方です。ゆえに“特別、これがおすすめ!”というメニューはありませんし、お客様ごとに自由にお好みのドリンク、フードを楽しんでいただけたらと思っています」と話す。

ドリンクの価格もリーズナブルだ。例えばバッチブリュー(マシン抽出)で淹れる本日のコーヒーは410円、おかわりだと210円というから驚かされる。エスプレッソベースのアメリカーノも410円。これだったら日常的に利用しやすいし、パソコンワークなどでの長居もしやすそうだ。“東京から初上陸した「FUGLEN」”という、やや特別なカフェバーという印象を抱いていただけに、イメージは一気に変わった。

鮮烈なノルディックロースト

一方でコーヒーの味わいという視点で見てみると、やはり特別だ。以前、豆を取り寄せて飲んだ時もそうだったが、同店の豆は圧倒的な個性がある。言い表すならまさにフルーツ。コーヒーなのにビターな味わいはほぼなく、フレッシュでみずみずしい。そんな表現がしっくりくる。
コーヒー豆はシングルオリジンのみで数種類を用意。2023年2月現在のラインナップはシナモンアップルやドライアプリコットを感じるホンジュラス、リンゴを思わせる酸味とドライフルーツのような熟成された甘さのウガンダ、ブラッドオレンジやストーンフルーツのような果実味のケニア、ジャスミンティーのような柔らかさもあるエチオピア。

このようにテイストの特徴にフレーバーを書くことは多いが、「FUGLEN」のコーヒーはそのイメージを裏切らない気がする。飲む度に「こんなコーヒーもあるのか」と感動があるのはさすがだ。ひと口目から感じられるフルーティーなフレーバー、スッと消えるクリーンカップを引き出すために大切なのは焙煎。「FUGLEN」では完全熱風式のローリングスマートロースターを採用し、豆の外側を焼きすぎることなく、内側に熱を加える焙煎を心がけているそうだ。

ノルウェー語で“鳥”を意味する「FUGLEN」。シンボルマークにもなっているアジサシという鳥は、オスロにも飛来する世界最長距離を飛ぶ渡り鳥だ。ノルウェーから日本へ。そして東京から福岡へ。まさに渡り鳥のように新たな目的地を目指す同店。「FUGLEN FUKUOKA」が福岡のコーヒーシーンをますますおもしろいものにしていってくれそうだ。
鮫島さんレコメンドのコーヒーショップは「THE LOCAL COFFEE STAND FUKUOKA」
「ご近所にある『THE LOCAL COFFEE STAND FUKUOKA』は当店と同じく、東京に本店を構えるコーヒーショップ。国内外の人気ロースターが焙煎するコーヒーを月替わりで楽しめるのが魅力です。不定期で登場するゲストビーンズは普段なかなか飲むことができないロースターさんの豆だったりで、新しい出合いにワクワクさせられます」(鮫島さん)
【FUGLEN FUKUOKAのコーヒーデータ】
●焙煎機/LORING Smart Roaster
●抽出/ハンドドリップ(Kalita ウェーブ)、エスプレッソマシン(LA MARZOCCO Strada)
●焙煎度合い/浅煎り
●テイクアウト/あり
●豆の販売/200グラム2000円前後
取材・文=諫山力(knot)
撮影=大野博之(FAKE.)
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