コーヒーで旅する日本/九州編|半世紀以上コーヒーと深く関わってきて今、小さなアパートの一室へ。「ぶんカフェ」

九州ウォーカー

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何歳になっても固定概念にとらわれないこと

ネルフィルターは珈琲美美に特注で作ってもらっている

「ぶんカフェ」のコーヒーは自家焙煎。さらに抽出はネルドリップを一貫している。昭和期から昔ながらの喫茶店で長くコーヒーと関わってきていることもあり、焙煎度合いも比較的深めのものが多いかと思っていたが、そうでもない。むしろ、深煎りのイメージが強いイエメン・モカ イブラヒムは「ぶんカフェ」ではやや浅めの中煎りで、ストレートコーヒーはフルーティーな酸味を前面に押し出した銘柄が多い印象。その理由を聞いてみた。

ハウスブレンドは浅煎りの爽ブレンド、中煎りの芳ブレンド、深煎りの奥ブレンドの3種を用意

「私が考えるおいしいコーヒーは、いかにバランスがとれているか否か。すっきりときれいな酸味、雑味のないクリアな苦味、余韻に感じる甘味などが口の中でうまいことまとまってこそ、おいしいと感じると思うんですね。そう考えると中深煎りや中煎り、もしくはそれよりもやや浅めの焙煎に仕上げた方が良いバランスになると考えていて。ネルドリップにこだわっているのも同じ考えで、ネルで淹れると味わいが上手にまとまるんです。一般的には深煎りで出すことが多い豆も、当店ではあえて浅めに焙煎することもあり、お客様からは初めて飲む味わいと喜んでいただくことも多い。それは純粋にうれしいですし、なにより私自身が楽しいですね」と吉留さん。

ジンジャーフレーバーと甘い酸味が特徴のイエメン・モカ イブラヒム(600円)

ともすれば人は、30年以上同じ環境下で仕事をしていれば、知らず知らずのうちに固定概念にとらわれることは往々にしてあると思う。ただ吉留さんは常に「もっと、おいしいコーヒーを」という思いを胸に、前に歩き続けている。だから54歳にして自身の店を開くという新たな冒険に挑戦することができたのだろう。吉留さんと話していると前向きな気持ちになれた。

吉留さんレコメンドのコーヒーショップは「筑紫野珈琲」

「珈琲舎のだ時代に一緒に働いた藤崎さんが営む『筑紫野珈琲』。筑紫野市の住宅街でひっそり営む小さな自家焙煎店です。藤崎さんはとても真面目で、コーヒーにも彼の性格がよく出ていると思います」(吉留さん)

【ぶんカフェのコーヒーデータ】
●焙煎機/COFFEE DISCOVERY 250グラム
●抽出/ネルドリップ
●焙煎度合い/浅煎り〜深煎り
●テイクアウト/あり
●豆の販売/100グラム600円〜


取材・文=諫山力(knot)
撮影=大野博之(FAKE.)

※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止にご配慮のうえおでかけください。3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

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