コーヒーで旅する日本/九州編|1号店開業から福岡市東エリアで愛されて36年。「香椎参道Nanの木」が目指すのは“まちのオアシス”

東京ウォーカー(全国版)

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多彩な選択肢と気軽さが愛されて

コーヒー、パン、焼き菓子に加え、セレクトした食料品も販売

同連載でここ最近取り上げてきた、福岡市南区の 伽楽 、小郡市の Morrow珈琲 、佐賀市の いづみや珈琲 に共通しているのは、豆の種類が30種以上と多彩で、しかも日常的に購入しやすい手ごろな商品を展開していること。「Nanの木」もまさにそのスタイルの先駆的な一店で、多くのファンがつき、地域の日常にうまく溶け込んでいる。

手作りパンも人気

このスタイルを一貫できているのは経営努力によるところがもちろん大きいが、根本には芹口さんの経歴が大きく関係していると感じる。芹口さんの商売人の礎は14年ほど勤めた庶民の味方・スーパーマーケット。

「どれだけ良い商品でも値段が高ければ、売れ行きは芳しくない。これは流通の世界ではどんな商材でも言えることで、最終的に選んでもらうためにはどれだけ多くの人が手に取りやすい価格にできるかという点が重要になってきます。私たちの時代はそこさえ見誤らなければ、大きく失敗することはありませんでしたが、これからもそのやり方をただ継続していけば良いかというと違う。これからはお客様にとって“おいしい”“手に取りやすい”という魅力以外の、プラスアルファの価値を付加する必要があると私は考えています。今は『Nanの木』でしかできない体験、味わえないものだったり、オリジナリティを磨いていく時代です」
付加価値をどう生み出していくか。おそらくこれはコーヒーや商売以外のどんなジャンルにも言えることだろう。

井の中の蛙にならぬよう

「Nanの木」の店舗横にある緑あふれるテラス席

開業20周年を迎えた2022年、芹口さんは経営を2代目に譲り、自身は焙煎を主とした関わり方にシフトした。「私が社長職を退いたことで、会社が目指すべき方向性がまた違う形で見えてきたと感じています。特に大切だと強く思うのが後進の育成です。今まではある程度自分が無理すればなんとかなるといった考え方を持っていたのですが、そうじゃないな、と。誰か一人が頑張るのではなく、スタッフにとってどれだけ働きやすい環境を作ることができるかという点が一番重要。一人でできることには物理的に限りがあります。それよりも当店の理念に共感いただき、信頼できる仲間を一人でも多く増やした方がいい。時には任せることもやっぱり必要なんです」と芹口さん。

【写真を見る】焙煎機は全部で3台あり、すべて半熱風式

「おかげさまで多くのお客様にごひいきにしていただき、感謝しかありません。長く愛していただいているお客様の期待に沿うことはもちろんですが、さらに新たなファン作りに励む必要があります。ここ最近、浅煎りのコーヒーが人気の店も増えていることから、私たちもよりクオリティの高い浅煎りのコーヒー作りをしたいといろいろ挑戦中。焙煎はもちろんコーヒーの探求に終わりはないし、正解はずっと見つからないんだろうなと思っています。井の中の蛙にならぬよう、常にアンテナを張って、進化を続けていきたいですね」と力を込めた。

芹口さんレコメンドのコーヒーショップは「木家珈琲倶楽部」

「熊本県宇城市にある『木家珈琲倶楽部』の店主兼ロースターの井上さんは脱サラされて自家焙煎店を開いた方。開業前に焙煎やコーヒー店の経営について聞きたいと当店に来られ、それからの縁です。すごく真面目な方で、地域に愛される店を営まれていますよ」(芹口さん)

【香椎参道Nanの木のコーヒーデータ】
●焙煎機/フジローヤル半熱風式5キロ2台、10キロ
●抽出/バッチブリュー
●焙煎度合い/浅煎り〜極深煎り
●テイクアウト/あり
●豆の販売/100グラム518円〜


取材・文=諫山力(knot)
撮影=大野博之(FAKE.)

※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止にご配慮のうえおでかけください。3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

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