家系ラーメンはなぜ全国に広まったのか?総本山「吉村家」創業者が明かす“魂”の40余年

2020年4月23日 17:00更新

東京ウォーカー(全国版)

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「吉村家」創業者・吉村実さん

豚骨・鶏ガラベースの豚骨醤油スープと、中太麺、大判海苔にほうれん草のトッピングが特徴の、いわゆる“家系ラーメン”の発祥が、横浜で店を構える「吉村家」。不況も関係なく、多い日は1日1500杯ものラーメンを今も提供し続けている、言わずと知れた全国屈指の人気店だ。「家系ラーメン」は一つのジャンルとなり横浜を飛び出し全国的に広まり、全国で2000軒もあると言われているほか、現在ローソンで販売する吉村家のカップ麺も品薄になるほどの反響だという。そんな「吉村家」を一代で築き上げた創業者の吉村実氏に独占インタビューを実施。40年以上、時代とともに変化を続けながらも、味を守り愛され続ける秘訣を聞いた。

スープの舌触り、鶏油の風味…細部の“質”にこだわり続けてきた40数年



なかなか見られない、仕込み中の吉村氏の姿

吉村家の朝は早い。取材に伺ったのは朝の6時台。スープの寸胴にはりつき、こまめにスープの状態を見ている男がいた。毎日1トン以上の豚・鶏ガラを使って仕込む重労働を、御年70代に突入した今も、創業者の吉村氏自ら行っている。まずは吉村家の人気の秘密を、カウンターから取材をさせてもらった。

――今でも毎朝、自ら仕込み場に立っているんですね。

【吉村実】基本的にはいつも朝は1人でやるよ。

――吉村家のラーメンはきれいですよね。スープにざらつきがないですし、豚骨の臭みもなくて、鶏油の色も張り方も美しいですよね。吉村さん自ら仕込んでいるからですね。

【吉村実】そこに気づいてくれたのはうれしいね!長い間やってきたけれど、そこをわかって取材で言葉にしたのはお前さんが初めてだよ(笑)。スープの質や舌触りには一番こだわり続けてきたから。スープがすっきりしているのはこまめにすくっているからだよ。それは隠しどころにしている部分だったんだけどな。あえて言うことでもないからね。家系にも魂はあるんだよ。

【写真】これが正しい家系の姿、吉村家のラーメン

――吉村さんにとってはわざわざ言うことでもなく、「当たり前」のことなんですね。

【吉村実】こだわってきたことに関しては、本当に小さなことかもしれない。でも、そのちょっとのこだわりを続けることで「吉村家」に行こうと選んでくれるお客さんがいる。その違いがわかる人がいるから、ずっと続けてこられたのよ。でも、味に関しては「若者が多いとき」、「サラリーマンくらいの層が多いとき」と客層によって微妙に変えているんだよ。

――新杉田にお店を構えていた頃は、朝5時からの営業でしたよね。「変わらない味」だけど気づかれないように変えている…それを続けることが難しいことだと思います。

【吉村実】それでも「吉村家にいけばおいしいラーメンが食べられる」って思ってもらえているのは、ずっと俺が作っているからかな。俺が毎朝(深夜の)2時半から仕込んで、「俺がうまいと思うラーメンを出す」ということが、ブレていないからなんじゃないかな。味付けが変わっても、お母さんが作った料理から「おふくろの味」がするのと同じだと思うよ。

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