家系ラーメンはなぜ全国に広まったのか?総本山「吉村家」創業者が明かす“魂”の40余年
東京ウォーカー(全国版)
家系が全国に広まった理由は「うまいラーメンを伝えたい」弟子との魂のぶつかり合い

早朝から吉村氏に会いに多くの人が店を訪れる。取材日は、4月から九州にラーメン店をオープンする予定の内田陽介氏が厨房に立っていた。家系はラーメンの一つのジャンルとして日本中に広まったが、実は吉村氏が弟子として認めている「直系」といわれる店舗は実に数店舗のみ。内田氏は吉村氏からラーメン作りを学び、九州初の吉村家直系として「内田家」を4月6日からオープン。家系が広まった理由について吉村氏に聞いてみた。
――過去に送り出したお弟子さんはうん百人。“メシの種”であるラーメン作りの秘伝を惜しみなく教えていますよね。それゆえ広まったと考えますが、どうして弟子をとるのでしょうか。基準は?
【吉村実】「情熱」だよ。やりたいって人はいっぱいいる、教わりたいって言ってくれる人はたくさんいる。でも商売はやっぱり軍資金がないといけない。1000万円足りないなら、「本気」なら貸してやってる。今まで貸したぶんはみんなしっかり返してくれているよ。

――現在もご自身で教えているんですね。
【吉村実】当たり前だろう、俺にはラーメン作りの魂があるからね。KADOKAWAだって出版で1番張ってるんだったら出版社として、編集者としての魂があるだろ?大事な“魂”の部分を伝えなかったら、そこをなくしちまったらおしまいだよ。
――博多に直系の「内田家」ができるのも、先ほどの「家系のおいしさを正しく届けたい」との気持ちからですか?


【吉村実】それもあるね。だからって、どこのラーメン屋とでもコラボするわけじゃない。俺の中でラーメン屋は缶詰のスープは使わない、生のスープ作ってナンボだろって考えがあるんだけど、内田さんは通じるものがあった。弟子を取るときも、ビジネスするときも、俺が大事にしているのは人であり、仁義だから。魂で通じるものを感じたんだよね。

――吉村家の家訓にもありますが「味は世なり 人を世を愛でる心が味を醸す」―吉村さんは愛や情、仁義を重んじている。商売も大事だけど、「人として」という部分を一番大事にされているんですね。
【吉村実】あんたも暑苦しい奴だな(笑)。でもその通り。ラーメン屋で当たっているやつはみんな奥さんがしっかり支えている。結婚しているやつしか俺は弟子にとらないんだ。「覚悟」が違うからね。
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